-STICK本人が参加-
U-マインド(U-Mynd)やH-タウン(H-Town)の仕掛け人ともいわれるビショップ“スティック”バレル(Bishop“Stick”Burrell)。彼を中心とした3人組が、(リミックス等を除いて)1枚のみリリースしたアルバムである。
-「マネ」では終わらせない-
前半はアップ~ミディアム。②「Flossy Baller」のような怪しげなダンサー、④「Can U Feel Me」のようなヒップ・ホップ手法はスティックらしさが溢れている。その“らしさ”にポップなフレイバーを加えた⑤「Rollin' With da Flava」はキャッチーに。キラキラ感が心地良い。
後半は⑥「This Is What U Like」から。ここからは夜の静寂。男女の出会い~ひと時の祝祭~別れを描いたように思えてならない。コーラスの更に奥から聴こえてくる声がエロい⑦「Lay It Down」、ニュージャック風のスロウ⑧「Ole Skool Groove」。すっかりと口説かれた女性のささやきのような⑨「Sticks Interlude」。すでに深夜に入ってしまったようだ。
-組曲風-
詞にも「Secret Lover…」という言葉が登場する⑩「Undercover」。ギターのリフがさらに場を熱くする⑪「Ain't No High」。クールダウンが近づく⑫「Slow and Easy」。優しく語り掛けるような⑬「Sexology 」。⑭「Baby I'm Sorry」で、部屋をでていった彼女を想い、謝罪の言葉を・・・。まるで組曲であるかのような後半は、マックスウェル(Maxwell)の『Urban Hang Suite』を思い出してしまった。
これほど良質のスロウが充実した作品は、なかなかお目にかかれない。貴重皿ではあるのだろう(筆者はヤフオクで3,000円で購入。)が、是非聴いてもらいたい作品である。
-同時期にソロも-
それにしても、ビショップ。このころは充実期だったのだろう。ほぼ同じタイミングでソロ作『The Man And His Music』(こちらも後半部分は充実)をリリースしている。
(2010.04.24)