双子の兄弟ケヴィン・“ディノ”コナー(Keven "Dino "Conner)、ソロモン・“シャザーム”コナー(Solomon "Shazaam" Conner)と、その親友ダリル・“G.I.”ジャクソン(Darryl "G.I." Jackson)によるトリオ。名前の通りテキサス州ヒューストン出身なのだが、デビューはマイアミの2ライヴ・クルー(2Live Crew)から。デモテープを送ったルーサー・キャンベル(Luther Campbell)のオメガネに叶った形となった。
93年にルーク・レコードから はじめてのR&Bアクトとしてリリースした1st『Fever For Da Flavor』のリード・シングルであるエロ・バラード「Knockin’ Da Boots」がいきなりR&Bチャートを制覇。POPチャートも3位まで駆け上がった。さらに次のシングル「Lick U Up」(これまた歌詞が卑猥)では、ソウル・トレイン・アワードではNew Artist賞を獲得。そして夏にはコカ・コーラのサマーフェスタにSWVやシャイ(Shai)、ジェイド(Jade)、シルク(Silk)などと共演。その人気はすっかり全国区となった。
2ndは1年半後の94年。バラード充実の『Beggin' After Dark』をリリースした。その中からはやはりバラード「Emotions」がヒットした(R&Bチャート11位)。そこで激甘なイメージを完成ながら、違う一面も覗かせたのは96年。映画『A Thin Line Between Love and Hate』のサントラで、同名のタイトル曲をカバー(オリジナルはパースエイダーズ(The Persuaders))。古いソウルへの愛着もしっかり届けてくれた。
97年の3rd『Ladies Edition,Woman’s World』は、女性蔑視などの問題に対する彼らなりの回答であろう作品を発表した。ここまでで、しっかり女性のハートをつかんだであろう。この辺はルークの商魂ともいえるかもしれない。
そののちグループとしての活動は休んでいたのであろうか。シャザームは2000年にソロ・アルバムをリリースしている。グループの再起動が囁かれつつあったころ、最も大きな事件が発生してしまう。2003年1月、ディノがヒューストンで交通事故死してしまった。22歳のガール・フレンド、ティシャ・レイ・ウェイセント(Teshya Rae Weisent)が運転する車の助手席に乗っていたところ、赤信号を無視したSUVが突っ込んできた。しかもそのSUVの中にいた3人は逃亡した(1人は後に逮捕された様子)という、なんとも痛ましい事件だったようだ…。この事件の前に録音を終えていた4th『Imitations Of Life』がリリースされたのは2004年。「The Day I Die」というタイトルの曲が収録されている…。なんという偶然…。いずれにしてもディノの声で届けれる最後の作品となってしまった。
活動停止を余儀なくされた彼らだが、2009年にシャザーム、G.I.の二人とジョデシィ(Jodeci)のコラボによる楽曲「Knocking Your Heels」が届けられた。2011年にはアルバム『Child Support』のリリースが予定されていたが、結局お蔵入りとなったようである。
(2011.03.26/2014.12.17)