1973年5月、ニューヨーク・ブルックリン生まれ。
「カリブ海にルーツをもつ家族の影響を受けながら育ったことが、自分に良い影響を与えている」
と自身が語っているとおり、父はプエルトリカン、母は西インド諸島出身。どことなくさまざまな文化からの影響を感じるその音楽性には、そういった出自が影響しているのかもしれない。
18歳のときにクイーンズからマンハッタンへ移り、自室でナント300曲以上もオリジナル曲を書き溜めていたそうだ。19歳の時には、すでにそれ以上のストックがあったという。
1st『Urban Hang Suite』では、シャーデー一派、リオン・ウェア、ワーワー・ワトソンなどを起用し、ヒップ・ホップとは対照的な80年代前半のソウルをカンジさせる名作を完成させる。グラミーにもBest R&B Albumとしてノミネートされたこの作品は、ダブル・プラチナ・アルバムとなった。
2nd『Embrya』は、未来主義的な一面を覗かせ、挑戦的な作品であった。
3rd『Now』では、落ち着いた、聴かせるものとした。このデビューからの3枚で、過去→未来→現在を表現しているようだった。
それ以降、インターバルが空く。それこそが彼のペースなのだろうが、ヤキモキしたファンは多数存在したはずである。しかし、誰しも彼の名前を忘れることはなかった。
8年のインターバルを経てリリースした4th『BLACK summer’s night』は、グラミーにノミネート。その力量を自然体で放った。発表直後はすぐに『black SUMMER’S night』『black summer’s NIGHT』をリリースすると伝えられていたが…。そう簡単にはいかなかった。
(2005.11.27/2011.01.10)