ニューヨーク、ブルックリン出身。ラ・ガーディア(La Guardia)高校の同級生であるジョージ・スペンサー(George“G-Fly”Spencer III)、ブライアン・デラムス(Brian Deramus)、デスモンド・グレッグス(Desmond Greggs)、コーリー・ランドルフ(Corley Randolph)とコートニー(Courtney)という5人で結成された。ゴスペルグループとしてスタートし、その後R&Bを歌うようになったのだが、ゴスペルを志していたコートニーがグループを離れることになる。カルテットとなった彼らはクイーン・ラティファ(Queen Latifah)のバックボーカルをこなしていた。(ちなみにこの頃の彼らはヴィジョン(Vision)と呼ばれていた。)
その後、コートニーに代わるメンバーとして、スパンキー・ウィリアムス(Prathan“Spanky”Williams)を正式メンバーに向かえ、パーティやタレントショウ、地元のクラブなどでその喉を披露していた。そんな地道な活動がようやく彼らを表舞台へ押し上げる。ジェイド・プロダクション(Jade Productions)とのディールの話が舞い込むのである。同時期にテディ・ライリー(Teddy Riley)と邂逅。彼の支援もあり、結局MJJと契約することになった。このときにグループ名もメン・オブ・ヴィジョン(Men Of Vizion)に改名した。
1996年に『Personal』をリリース。ジョージがプロデュースしたシングル「House Keeper」がR&BチャートTOP13に入るヒット。アルバムもR&Bチャート29位を記録している。テディとレコード会社の意向なのだろうが、ジャクソン・ファイヴ(Jackson Five)の1977年のヒット「Show You the Way To Go」をカヴァ。映画「マネー・トレイン(Money Train)」のサントラにも収録され話題になった。
しかし、1stリリース後、デラムスとグレッグス、コーリーがグループを去る。デラムスとグレッグはクラフト(The Kraft)というデュオを結成。後にコーリーが加入したことにより、グループは事実上2つに分裂してしまった。 この危機を救ったといえるのがテディということになるのだろう。同じくテディが仕掛けていたコーラス・グループ、リフ(Riff)から、チル(Anthony“Chill”Fuller)、スタイルズ(Dwayne “Stylz”Jones)の兄弟とニッティ・グリーン(Michael“Nitty Green”Best)の3人を招き入れるという大技(荒技?)をやってのける。その体制で1999年に2nd『MOV』をリリースした。ジョー(Joe Thomas)のプロデュースで話題になった「Break Me Off」などの名曲も産んだがチャート・アクションはイマイチ。結局この2枚を残し、表舞台からは消えてしまった。
Webサイトを確認すると2007年にゴスペル作品を届ける的な内容を記されているのだが音沙汰なし。また、オリジナル・メンバーのコーリーは、ダラスに移住。グループでの活動以前からジャズ・アンサンブルでピアノを弾いたり、作曲もできたというその才能を活かし、2007年にボーカルスクールを開校している模様。
(2012.11.11)