メリーランド州ボルティモア出身のデヴィッド“ダビンチ”チャンス(David “Davinch” Chance)とダンテ“チー”ジョーダン(Dante “Chi” Jordan)によるデュオとしてデビュー。牧師の父を持つデヴィッドは、5歳からゴスペルを歌い始める。10人兄弟の末っ子であることから、おそらく兄弟でクワイアを組んでいたことだろう。本人も、“いつも教会が念頭にあった”と語っている。
同じブロックにすんでいたダンテは、ストリート・ダンサーとして地元では有名な存在だった。ドゥルー・ヒル(Dru Hill)のシスコ(Sisqo)とは、地元のお菓子屋さんでバイト仲間だったらしく、2人は当時から人気者だったそうだ。
そんなデヴィッドとダンテの2人は高校までは別のグループに所属。次第に共に活動するようになり、そのうち2人だけが残った。
“ふたりになった時に成長した”と彼ら自身が語っているように、自信を深めた彼らは、ニュージャージー州出身のトロイ・パターソン(Troy Patterson)と知り合い、デモテープを制作。そこではディール獲得には至らなかったものの、後にオジ・ピアース(Oji Pierce)との邂逅を果たし、契約へと結びついた。
1998年、エピック・レコードと契約。2年間を費やし1st『Love Crime』が完成。リード・シングル「No More」(R&Bチャート2位)を手がけたのはエディ・F&ダレン・ライティ(Eddie F & Darren Lighty)。そのほかジャーメイン・デュプリ(Jermaine Dupri)の右腕:マニュエル・シール(Manuel Seal)&ブライアン・マイケル・コックス(Brian Micheal Cox)、タイリース(Tyrese)やミス・ジョーンズ(Miss Jones)を手がけたネイト・ラヴ(Nate Love)、同郷よりドゥルー・ヒル(Dru Hill)のノキオ(Nokio)、ブラック・アイボリー(Blaque Ivory)の作品に参加し、ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)で名をあげたたコリー・ルーニー(Cory Rooney)と、かなり名を通ったプロデューサーが参加した。
2002年に2nd『Someone To Love You』をリリース。バウンシーなアップが目立った1stとは一転。スロウ中心の作品となった。
この2枚を残してデヴィッドはソロに転向。2007年にソロ・アルバム『Unconditional Love』、2009年に『Unconditional Love』の2枚を発表している。2013年にはカルヴィン・リチャードソン(Calvin Richardson)やジェフ・レッド(Jeff Redd)らが所属する“The Come Back Kings”に加入。彼自身はゴスペルのレーベルを持っているのだが、そのメンバーからして、今後に期待したくなるのは当然である。
一方のダンテはラフ・エンズとして、同じ2013年に公式サイトで、「Wine You & Dine You」をデヴィッドが参加する最後のシングルとしてリリース。新メンバー、ウィル・カーター(Will “Star” Carter)を加えアルバム作成を予定していたが、今のところ届けられていない。
(2010.11.14/2015.04.06)