ジョニー・ギルの弟ランディ・ギル(Randy Gill)、そのいとこジャーメイン・ミッキー(Jermaine Mickey)、そして4歳からドラムを叩き、マスカレード(Masqerade)というグループですでに活躍していたデクストラ・ワイリー(D’Extra Wiley)から成るトリオ。ワシントンD.C.出身。全員名門ハワード大学卒業ということだ。
地元のラジオ局WPGCへ、1stにも収録させている「Cry No More」を吹き込んだデモテープを送付。ここでのオンエアをきっかけに、MCA傘下のガソリン・アレイ(Gasoline Alley)というレーベルと契約した。ここまでの流れは、同じ3人組のグループ、シャイ(Shai)と全く同じ。どうしても比較される対象となってしまった。1st『II D Extreme』(R&Bチャートのピークは22位)をリリースした1993年秋のシングル・チャートでは、シャイの「If I Ever Fall In Love」がR&Bチャート5位を記録。上記「Cry No More」は18位(ピーク時は6位まで上昇)であり、数字的にはシャイを下回った。しかしながら、デビュー曲としては上々の滑り出しだった。
この活躍が認められ、グループは次のステップへ。2年という時間をかけ、2nd『From I Extreme II Another』をリリースしたのは1996年。デクストラ・ワイリーがほぼ全編を手がけた世界は、流行と無縁ともいえるオーソドックスな歌を聴かせてくれる作品となった。翌年、グループはサガ・リー(Sage Lee)を向かえ4人組に。ラッパーでもあるサガを迎えることで、グループはどういう方向にすすむのかと期待させられた。
しかし、MCAが部門閉鎖を決定。メンバーは別々の道を歩むことになってしまう。ランディは裏方に専念することになり、他のアーティストに楽曲を提供。テディ・ペンダーグラス(Teddy Pendergrass)、シャイ、アッシャー(Usher)などを支えた。また兄弟であるボビー・ギル(Bobby Gill)、ジェフ・ギル(Jeff Gill)、そしてジョニー・ギル(Johnny Gill)とともに、ゴスペルグループ、ウィングス・オブ・フェイス(Wings of Faith)を結成し、ライブを行っている。ミッキーはゴスペルに活動の舞台を写し、2008年、ソロ・ゴスペルアルバム『Testimonies』をリリース。ワイリーも裏方に廻り、ケイシー&ジョジョ(K-Ci&Jojo)『It's Real』、フェイト(F.A.T.E.) などの作品に参加。また、変わったところではホーム・コメディにも出演した。リーはプロダクション・チームの一員として、こちらも裏方に廻っているようだ。
近年、ランディのソロの話やら、グループ再結成の話もちらほら聴こえるのだが、果たして!?
(2011.07.03)