一昨年の年末から昨年当初にかけての男性ソウル陣の復活劇には胸躍らさせられたが、そのあとは思ったようには継続することはなかった…。個人的には非常に寂しいものではあったが、シーンがそれを待っていることは確認できた。この動きはきっと今後に続いていくなにかになっていると信じたいところである。
シーンはビヨンセ(Beyoncé)の女児出産から始まる。彼女がシーンを握ってから約10年。ここまで天下を取り続けることがすごいことである。その女児と入れ替わるように、翌2月にホイットニー(Whitney Elizabeth Houston)が他界。しかもグラミー賞の前日に…。ディーヴァの世代交代は終わっていたわけだが、このタイミングで旅立ったホイットニーの気持ちはどのようなものだったのだろうか。また5月にはドナ・サマー(Dona Summer)も他界している。
女高男低の構図は少しずつ変化。とはいえ、ビヨンセは4年ぶりに「Love On Top」がチャート制覇。SWVの再結成されたり、年末にはリアーナ(Rihanna)が全英チャートを征したりと、決して女性陣の勢いに陰りが見えたわけではなかった。むしろ男性陣が話題に上がったといえる。ミゲル(Miguel)が無料EPをリリース、フランク・オーシャン(Frank Ocean)がデビュー、ブルーノ・マーズ(Bruno Mars)が人気になり、クリス・ブラウン(Chris Brown)全英チャートを征した。シーンは更にポップにクロスオーバーしてしまった感があり…。しかし、個人的に嬉しかったのはそのような中でも、エディ・リヴァート(Eddie Levert)が69歳にして初めてソロ作品をリリースしたことであった。
また、ちょっと変わったところでは、ブライアン・マックナイト(Brian McKnight)が、Web上でキャラクターにないアダルトな楽曲を披露。批判が相次いだわけだが、これを彼なりのアンチ・テーゼだととるか、最近のR&Bへの単なる批判ととるかは人それぞれだろう。とはいえ、売ることだけを考えられる現在の業界、配信における楽曲主義(アルバムではない)など、非常に考えさせられる事件だった。
(2015.05.08)
-2012年にリリースされた作品-
『I Missed Us』
/ SWV
『Acoustic Soul Sessions』
/ SYLEENA JOHNSON
『Inspired By
A True Story vol.1』
/ HOMEMADESOUL
/ HOMEMADESOUL
『Inspirations』
/ HOMEMADESOUL
『Back To Love』
/ ANTHONY HAMILTON
/ MINT CONDITION