カリフォルニア州パサディナ出身。トゥループ(Troop:部隊)=Total Respect Of Other Peopleということらしいが…日本人としてはSMAPを思い出してしまうのは仕方ないところ?
レジー・ウォーレン(Reggie Warren)、ロドニー・ベンフォード(Rodney Benford)の2人が、“Puttin' On The Hits”という音楽番組で入賞を果たしたことをきっかけに、パサディナ・ハイスクールの仲間だったジョン・ハレルド(John "Jon-Jon" Harreld)、スティーヴ・ラッセル(Steve Russell)、アレン・マクニール(Allen McNeil)の3人を誘って結成。その番組の審査員だったジェラルド・リヴァート(Gerald Levert)の後押しを受けて、シングル「Mamacita」でデビュー。ジェラルドとマーク・ゴードン(Mark Gordon)プロデュースによる同曲は、ブラック・チャート2位を記録した。
1stアルバム『Troop』では、前出の2人のほか、エディ・リヴァート(Eddie Levert)、チャッキー・ブッカー(Chuckii Booker)、マーク・ブラウン(Mark Brown)らが関わった。現在では考えにくいが、この時点ですでに来日を果たし、小さい会場ながら、なんと2週間も公演したという。なんと良い時代なのだろうか…。
ジェラルドとチャッキーは2nd『Attitude』にも関与。特にチャッキーはグループの最高傑作であろう名曲「Spread My Wings」を提供。R&Bチャートを制覇した。
3rd『Deepa』リリース後、レジー、ロドニー、ジョンジョンの3人が脱退。代わりに、3rdで裏方としても活躍した、デメトリアス・シップ(Demetrius “MECH” Shipp)を迎え、3人組となりインディより再出発。4th『A Lil' Sumpin' Sumpin'』をリリースした。しかし、4年後にリリースされる5th『Mayday』では、オリジナルメンバーのクインテットによる作品となっている。
それ以降グループとしての活動休止状態だったのだろう。2000年代中期には再度活動を始め、次のアルバムの作成もするという話まで挙がっていたようだ。結局届けれれることはなかった。リードボーカルだったスティーヴが、アンダードックス(The Underdogs)で裏方として活躍。代表的なところではクリス・ブラウン(Chris Brown)やチャーリー・ウィルソン(Charlie Wilson)らのサポートということになるだろうが、様々なところで活躍。今では人気のソング・ライターになっている。
ようやくトゥループの名前が再度聞こえ始めたのは2010年代に入ってから。スティーヴ自ら、モーテル・ミュージック・メディア(The Motel Music Media)なるプロダクションを立ち上げ、2010年、初のソロ作『So Random』を発表する。同年にはアレン・マクニールも初ソロ『Hybernation』を、翌年には2nd『Send For Me』をリリース。ようやくグループの復活劇も期待できるようになってきた。
2014年には、スティーヴがスティーヴン・ラッセル・ハーツ[1](Steven Russell Hart)として2ndソロ『The Wedding Singer』 を配信。その際に“Singersroom”というサイトでインタビューを受けている。その中で、トゥループの3rd『Deepa』をリマスターし、新曲を加えて再発[2]したり、過去のスロウを集めたコンピレーションをリリースしたりと、彼が本当にやりたかったことが出来始めた様子を語っている。ニューアルバムのタイトルは『The Return』ということまで語られている。フィジカルでのリリースは難しいかもしれないが、配信だけでもいいので聴いてみたいものである。
(2010.06.13/2015.04.19)
[1]どうやら父方のラストネームが分かった様子。いろいろとあったことまで赤裸々に語っていたのだが、家族を大切にしている気持ちが伝わった。
[2]1992年のリリースはアトランティック(Atlantic Recording Corporation)から。権利問題がようやく解決したことにより実現できたとのこと。