『Leave The Door Open』(2022.04.23)

－Nice'n Slow vol.24－

15年ぶりに制作！

シルク・ソニック（Silk Sonic）の大活躍に触発され、15年ぶりに制作した本シリーズ。あまりに久しぶりすぎて、どうやって選曲していたのか忘れてしまっていたが、作業を進めるていると思い出すこの楽しい感覚…。こんな時間がとれるようになるとは…。

しかし、15年の月日はこの制作環境も大きく変化をもたらしていた。初めてフィジカル盤ではなく、Spotifyのプレイリストを作成するという方法となった。選曲して、プレイリストにいれて、完成。今までは選曲してCDを作成して、ジャケットを作って…ととても数時間ではできないものだったが、簡単にできてしまった。うーむ、恐ろしい…。とはいえ、便利なことには変わりない。こうやって音楽を“楽しんでいる”ことが大切なのだろうと思う。

そんなわけで、選曲はSpotifyで聴くことが可能なものだけで選曲。となると、逆転の発想で、「次はサブスクで聴けないシリーズにするかなー。」なんてことも考えたり。いずれにしても次は15年空けずに作りたいなと思った次第である。

収録した楽曲は以下のとおり。まずは制作意欲を持たせてくれた①「Leave The Door Open/シルクソニック（Silk Sonic）」に敬意を表して。きっと100年後にも語られるべき名曲であるだろう。今までなぜ入れてなかったのかわからないほどの名曲④「Breakin' My Heart(Pretty Brown Eyes）/ミント・コンディション（Mint Condition）」や⑥「Same One/シーン・レヴァート（Sean Levert Feat.Eddie &Gerald Levert）」などいつものメンバーが入ってしまうあたりはご愛敬というところであるが、その他はなるべく今まで選曲してこなかったアーティストを優先している。
　その中でも⑧「Free/K-ロブ（K-Rob）」⑩「Tell Me You Love Me/オマリ・シャバズ（Omari Shabazz）」⑫「Second Chance/Dマエストロ（D'Maestro）」⑬「Baby I'm Sorry/チャズ・マック（Chazz Mc）」⑭「Baby Jane/ダーネル・ケンドリックス（Darnell Kendricks）」⑮「This Is What I Would Do/リアル・セダクション（The Real Seduction）」など、インディからの選曲が多くなった。これは、インディアーティストにとって、配信というスタイルが身近になったことや、配給に携わる人の努力によるものだろう。裏を返せば、この“Nice'n Slow”のコンセプトがまったく商業的に見込めないということが言えるのかもしれない。これほどの素晴らしい楽曲がありながら、本当にもったいないと思うところではあるが…。⑮などは、90年代屈指の名曲だと思う。

⑪「Special」のゲイリー・テイラー（Gary Taylor）大先生のモーニング・クルー（Morning Crew Music, Inc.）のWeb上の言葉を再度引用したい。

「我々の音楽はメインストリームのではない」（We Are Not True To Mainstream.）

潔い言葉とはいえ、素晴らしい音楽を届けているということの自信に溢れた言葉ではないだろうか。ここに選んだアーティストに共通していることであり、当Webサイトとしては、（力など微塵もないが…）全力で応援していきたい。

(2022.04.23)

SILK SONIC

THE REAL SEDUCTION

GARY TAYLOR