ガイ(Guy)の顔とは違ったものを表現したかった、テディー・ライリー(Teddy Riley)発案による本人参加のプロジェクト。そのテディーは、66年ニューヨークのハーレム生まれ。ティミー・ギャトリング(Timmy Gatling)らとキッズ・アット・ワーク(Kids At Work)というグループを結成。それがガイへと昇華する。ガイの紹介はその項に譲るが、90年初頭までにニュー・ジャック・スウィングを世に広めた功労者的グループに成長する。順調に見えたガイだが、ヴォーカルのアーロン・ホール(Aaron Hall)がのちに語るとおり、その当時、メンバー間での意見のくいちがいが多くなってきたらしく、休止をすることになる。その後、メンバーはそれぞれソロ活動をするわけだが、テディが選んだのは、このブラックストリート(Blackstreet)の立ち上げだった。チャウンシー・ハンニバル(Chauncey Hannibal)、デイヴ・ホリスター(Dave Hollister)、リーヴァイ・リトル(Levi Little)との4人グループとし、メンバーそれぞれに、グループのロゴの刺青を入れるほどの結束力を見せた。
93年、映画『CB4』のサントラに「Baby Be Mine」でデビューし、翌年1stをリリース。「Before I Let You Go」をR&Bチャート2位へ送り込むなど、5曲のヒットを放つ。ところが、デイヴとリーヴァイが早くもグループ脱退。エリック・E・ウィリアムス(Eric Williams)、マーク・ミドルトン(Mark Middleton)を新メンバーに迎える。
96年2ndリリース。ドクター・ドレ(Dr.Dre)を迎えた「No Diggity」で4週連続R&Bチャート制覇を成し遂げた。このアルバム『Another Level』は400万枚超売れた。
99年には3rdをリリースするが、このころからガイの再結成の話が持ち上がり、ブラックストリートは一旦お休み。ガイは00年に復活作『GUY Ⅲ』をリリースする。
このガイの再結成のあたりから、再びグループ内に不協和音が聴こえるようになる。当初、テディはソロ作のリリースを考えていたが、グループのことを思ったのか、ブラックストリートの作品へシフトチェンジ。4thをリリースし、珠玉のバラード「Deep」を残してくれた。しかし、やはりこのグループにはいつも長く続かない何かがあったようだ。それ以降、作品のリリースはなくなった。
ところが2013年。驚いたことに、テディはケンカ別れしたデイヴとともに、“BS2”と名乗り、再び始動。新メンバーに、レニー・ハロルド(Lenny Harold)、トニー・テイラー(Tony Tyler)を迎えて活動している。現在まで作品は届けられていないため、このまま解散とならないことを祈りたい。
(2005.12.18/2014.10.13)