ニュージャックを先導したテディ・ライリー(Teddy Riley)をシーンへ登場させたジーン・グリフィン(Gene Griffin)。そのふたりが、ガイ(Guy)での大きな成功をもとに、弟分であるグループを手掛けることになる。ニュージャージー出身の4人組、トゥデイ(Today)がそれにあたる。その中に所属していたのがビッグ・バブ(Big Bub)。本名:フレデリック・リー・ドレイクフォード(Frederic Lee Drakeford)である。グループでは“ブバ(Bubba)”と名乗っていたようだ。
当然MCAからのデビューかと思いきや、グループはすぐにモータウンへ移籍。1988年9月「Him Or Me」でデビューする。2ndシングル「Girl I Got My Eyes On You」は、ブラックチャートでNo.1を獲得した。 アルバムは88年に『Today』、90年に2nd『The New Formula』という2枚を残している。
グループ解散後、ニュージャックな「I Don't Mind」でソロデビューを果たす。92年には1st『Comin' At Cha』をリリースする。その後、5年のときはあいたものの、97年の2nd『Timeless』は日本盤が発売されるメジャー配給。当時は男性ソロアーティストが追い風にあったという背景が垣間見れる。その後、キダー・マッセンバーグ(Kedar Massenburg)絡みで、エリカ・バドゥ(Erykah Badu)などのバックコーラスをこなしつつ、2000年に3rd『Never Too Late』をインディからリリース。その男汁に酔いしれた。その後、またしてもシーンから遠ざかっていたが、2009年に配信限定で4th『Tug Of War』を発表。また、2011年にも収録時間は30分弱ではあるものの、アルバム『Renew』をデジタル配信。しかし、その後は音沙汰がない状況が続いた。
復活の狼煙をあげたのは、2019年。シングル「Rain」をリリースもあったが、ヒップホップ界隈からのお誘いが急増[*1]。ミヤーキ(MIyaki)「Ain't Trill Real」を皮切りに、コンスタントにフィーチャリング・ヴォーカリストとして参加している。また、SNSも@fredleedrakefordのアカウントで近況を発信し続けてくれている。カット・クロース(Kut Klose)などとの共演もあったようで、昔からのファンを喜ばせてくれている。
(2010.05.30/2025.06.01)
[*1]おもな活動は次のとおり。Dick James「Luv,Luv」(2021)、Big Kenz「Watchin'」(2022)、Twain「Dead & Gone」(2022)、Big Lotto「556」(2023)、Smokey Hendrixx「I'm Back」(2023)、Lil Shotty「Life So Hard」(2023)、Mulan Armani「Anti-Mosity 3」(2024)、Masta Killa「Again」(2025)