カリフォルニア州オークランド出身。ドゥウェイン(D’wayne Wiggins:1963年生)&ラファエル(Raphael Saadiq=Charles Ray Wiggins1966年生)のウィギンズ兄弟、従兄弟のティモシー・クリスチャン・ライリー(Timothy Christian Riley:1965年生)が表に出る3人。それにイライジャ・ベイカー(Elijah Baker)、カール・ウィラー(Carl Wheeler)、アントゥロン・ヘイル(Antron Haile)の裏方3人の合計6人グループとして活動を開始。
ラファエルとティモシーが、シーラ・E(Sheila E)のバンドで、ドゥウェインが、トラメイン・ホーキンス(Tramaine Hawkins)のバンドで演奏していた1987年頃、6人は自らのバンドの楽曲「One Night Stand」を地元インディから発信。それがウィング・レコード(Wing Records)のディレクター、さらにはフォスター&マッケルロイ(Denzil Foster & Thomas McElroy)の耳にとまり、デビューへ。シングル「Little Walter」はいきなりR&Bを征してしまう。
1st『Who?』は、当然ながらフォスター&マッケルロイのプロデュースであったが、ほとんどの楽曲はトニーズで制作。2nd『The Revival』からは、フォスター&マッケルロイの力を借りつつも、セルフ・プロデュースに挑戦。「The Blues」「Feels Good」「It Never Rains (In Southern California)[南カリフォルニアに雨は降らない]」「Whatever You Want」とシングルカットした4曲が、次々とブラックチャートを制覇。アイドル的地位を獲得する。
ニュージャック・スウィング・ブームも去りつつあった、1993年には3rd『Sons Of Soul』を発表。今までのイメージよりも落ち着いた、貫録をみせた作品となった。生音へ回帰した方向性、ライヴ感を重視した音作りは、1996年に花開く、ニュー・クラシック・ソウルのさきがけとも言われている。
1996年の4th『House Of Music』をリリース。作品の出来に関しては、レヴューを読んでいただけたらと思うが、もちろん秀逸。しかし、3人の個性を寄せて集め、融合させたような、どことなく別れを予感させるような作り方であった。結局その後はトニーズとしての作品が発表されていない。しかも、ラファエルは脱退。ソロ作品を発表し続けている。ラファエルの後任には、ウィギンズ兄弟の従兄弟であるエイマー・カリル(Amar Khalil)が加入。その青臭い歌声は、ラファエルそのものに聴こえてしまう。
個人的には、2003年にブルーノート福岡で見たライヴは最高だった。エイマーの歌声は、本当にラファエルと間違えるくらい似ていた。その記憶とともに、彼が入ったところでの5thアルバムを期待しつづけている。
(2005.11.19)