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PO' BROKE 'N LONELY?

portrait

Biography

LA出身のDJ、クリストファー・テイラー(Chris ”Glove“ Taylor)を中心に結成されたトリオ。クリス自身はほぼすべての演奏と音作りを行い、それをハイトーン・ヴォイスのルーベン・クルーズ(Ruben Cruz)が歌いあげ、スポークン・ボーカル=語りというポジションのマイク・リン(Mike Lynn)が彩を添えるという、珍しい構成である。

ドクター・ドレ(Dr.Dre)が見出した…的なことを記述しているサイトもあるが、実はこのグループの前に、テイラーはすでにこの世界で活躍していた[*1]
 もともとLAでDJとしてそのキャリアをスタートさせたテイラーは、アイス・T(Ice T)らと活動。いわゆるブレイクダンスをモチーフにした映画「Breakin'」(1984)には、アイス・Tとともに本人役で登場。劇中にも使用されている楽曲「Reckless」は、クリス・テイラー&デヴィッド・ストーズ(David Storrs)feat.アイス・T名義でリリースされている。その後、ソロ名義で「Tibetan Jam」もリリースと、すでに地位を確立していた。

その後、ポ・ブロークン・ロンリーが結成される。彼らはDJ同士の繋がりから、お互いの存在は知っていたが、アルバムリリースに当たり、プロデューサーを探していたところでドレと邂逅。92年、1st『No Money No Honey』をリリースした。

しかし、その蜜月ぶりは解消されることになる。この作品の後にリリースされているドレの楽曲「Stranded On Death Row」、93年のスヌープ(Snoop Dogg)の「Doggy Dogg World」で、テイラーがクレジットされなかったのである[*2]。おそらくその件もあり、2nd『Forbidden Vibe』はテイラーのセルフ・プロデュースとなった。

その後、98年にテイラー自身が脳外科手術を受けることになり、それをきっかけに復縁。ところが、またしてもドレの楽曲でクレジットが付かず…[*3]。ヒップホップの世界ではありがちなことなのだろうか…。

現在も、テイラーとルーベンは音楽業界で活躍している様子。ルーベンは、2002年末にRC名義で『Rube Naughty』を発表。2019年に、ソウルジャパン(Soul Japan)から7インチ「Back In Time/Full Circle」をリリースしている。

(2020.04.20)

[1]テイラーの生年月日がわからなかったのだが、Ice・T(1958.2生)、Dr.Dre(1965.8)を考えたときに、テイラーのほうが年上なのではないかと考察できる。仕事の話を考えると年下なのか?と思ってしまうんだけど…。
[2]あくまでテイラー側の主張ではある。本人もドレのことよりも、Sugeという人物のせいだ、というようなことをインタビュー(2012)で話している。この中でテイラーは「ラップではなく、R&Bをやりたかった」と話していることに、つい嬉しくなってしまう。
[3]2Pac and Dre「California Love」、Dr.Dre「Xxplosive」

Discography

『No Money No Honey』

(1992)

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