区切りの第10弾は、vol.1~9のベストにしようと最初から決めていた。だから、Vol.9の次に作ったのはVol.11。(このベストはしっかり選曲して)じっくり作っていこう!と考えていた。そうこうしているうちに、時間ばかりが経過。そして友達の結婚式や他の自分作成のコンピに入れてしまう曲が多くなってしまい、「またこの曲入れてしまった…」っていうことがよくあった。これでは新しい音とも出会えない!と思い、ここではそういった曲は出来るだけはずして作成した。
とはいえ、②「Tears / アイズレー・ブラザーズ(The Isley Brothers feat.R.Isley)」、⑧「Twisted / キース・スウェット(Keith Sweat)」、⑪「Sensitive Heart / アンジェラ・ウィンブッシュ(Angela Winbush)」、⑮「No One Eles Comes Close / ジョー(Joe Thomas)」という楽曲は外すことができない名曲。もちろんその他の楽曲も珠玉のスロウばかり。内容には自信あり!です。
このVol.10は無理やり聴いてもらった人が多かった…(失礼しました)。それゆえ、ライナーノートまで作ってみた。下のほうに当時作ったものと全く同じ文章を掲載。気が向いたら読んでもらえたらありがたいです。
(2005.12.01)
KEITH SWEAT
01.Interlude:Passion
/ PORTRAIT
02.Tears
/ THE ISLEY BROTHERS
feat.R.Isley
03.I Care About You
/ MILESTONE
04.Nobody’s Supposed
To Be Here
/ DEBORAH COX
05.Good Girls
/ JOE
06.I Don't Wanna Be Alone
/ SHAI
07.Forever My Lady
/ JODECI
08.Twisted
/ KEITH SWEAT
09.Find Me A Man
/ TONI BRAXTON
10.I Care
/ TONY TONI TONÉ
11.Sensitive Heart
/ ANGELA WINBUSH12.Between The Sheets
/ THE ISLEY BROTHERS
13.Any Time,Any Place
(R.KELLY MIX)
/ JANET JACKSON
14.I Hate You
/ The Artist Formarly As
Known As PRINCE
15.No One Else Comes Close
/ JOE
このNice’ n Slowシリーズのvol.1を作成した当初、このように続くものに成長してくれるとは、予想もしませんでした。100分テープを4本買い込み、どうしようかと考えた時に、「Slow Jamをまとめてみようか。」と思ったことがきっかけとなります。1998年の2月18日ですから、大学3年の冬にあたります。ヒマだったんでしょうねぇ(笑)。vol.9のリリースが2001年4月22日ですから、約3年間で9本。なかなかのハイペースです。
今回のvol.10は、vol.1~9のベスト版に当たります。vol.8作成中くらいから、「vol.10はベスト版だ!」と意気込んでおりましたが、なかなか実現せず、今日まできてしまいました。できる限り、Nice’n Slowシリーズ以外で選曲されているものは省こうと心がけてみました。(まぁ中には、アイズレーズの「Tears」が入ったりしてますが...。)その結果、
■トニー・トニー・トニー(Tony Toni Toné)「(Lay Your Head On My) PILLOW」
■キャリン・ホワイト(Karyn White)「I’m Your Woman」
■ベイビーフェイス(Babyface)「Whip Appeal」
と、挙げていったらきりがありませんが、そのような定番が収録されておりません。それが、今回の面白味なのかもしれません。
それでは、各曲の解説を、愛すべきオーディオ・システム(ONKYO INTEC 205)の左スピーカー:Lと、右スピーカー:Rの会話にてお楽しみください。
R:ありえないシチュエーションで強引に始まりましたね、僕らの会話。
L:作者の頭脳の足りなさと安易さが原因だな、きっと。
R:まぁ、その辺は無視して早速聴いてみましょう!
1.Interlude:Passion / ポートレイト(Portrait)
92年デビューの4人組コーラスグループ、ポートレイト。そのデビューアルバム『PORTRAIT』のブリッジ的楽曲。vol.3では、「これから夜が始まります。」という色を濃くするためにオープニングを飾った。
2.Tears / The Isley Brothers feat. R. Isley
50年代にデビューし、3人組コーラスグループ→6人組ソウル・ファンクグループなどを経て、現在のロナウドをフロントに据え、アーニー、マーヴィンが両サイドを固めるというスタイルへと進化した兄弟。もはや説明は不要の大御所である。作者の1番好きなグループである。
R:いきなり『Nice’n Slow vol.3』と同じ始まり方ですよ。
L:そうなんだけどね。でももうこの①を聴くと自然に②が流れてきちゃうんだよね。
R:でも、可能な限り違う選曲を...ではなかったんですか?
L:よっぽど好きなんでしょうね、この流れ。
R:しかし、Nice’nSlowシリーズではアイズレーズたくさん登場しますね。vol.9の「The Highways Of My Life」なんて渋いチョイス!
L:アイズレーズは1枚に1曲ってくらい入っているかもね。
R:今回のアイズレーズのように、次回のvol.20ではジェラルド・リヴァート(Gerald Levert)やメイズ(Maze featuring Frankie Beverly)あたりがたくさん登場しそうですね。
L:それはvol.20までのお楽しみだね。そういえば、ベイビーフェイス(Babyface)もたくさん入っているよね。
3.ICareAboutYou / マイルストーン(Mileston)
映画「SOULFOOD」中に、コーラスグループとして登場するベイビーフェイス、兄のケヴォン(Kevon Edmonds:After7)、K-CiとJojoのヘイリー兄弟(Jodeci)による最強グループ。
こんな4人が集まれば簡単にこんな曲を作ってしまうのか~。
R:この曲は最初あんまりグッとこなかったんですよ。
L:でもLIVEのDVDみてしびれた?
R:そうなんですよね。あのK-Ciの力強い歌い方に惚れこんでしまいました。
L:じわじわと染み込んでくる。本当に良い曲なんだろうね。
R:ところで、そろそろ女性ボーカルもの聴きたいな。
L:お、わざとらしいふりだねぇ~。
4.Nobody’s Supposed To Be Here / デボラ・コックス(Deborah Cox)
95年デビュー。97年までに日本にも2度プロモーションで来日した実績もある彼女。ファーストでのポップス性を消化した2nd『OneWish』からのセレクト。モンテル・ジョーダン(Montell Jordan)作のスウィートなラヴソング!
L:でました、モンテル・ジョーダン。
R:絶対好きになると思ってました。この人良い曲書くよね。
L:ここでは、デボラにポップスからブラックへの道すじを立ててやったのではないかなぁ。
それにしても、いい曲。
R:いい曲といえば、スウィート路線のこの人は?
5.GoodGirls / ジョー(Joe Thomas)
2nd『All That I Am』ですでに自分なりのR&Bに対する解釈が完成されてしまったくらいの感のあるジョー。すでに大スターに駆け上がったが、そのきっかけともいえるこのアルバムは90年代のR&Bアルバムのひとつとして 、歴史に刻まれるであろう。
L:最初この曲聴いたとき、絶対エッチな歌詞だと思わなかった?
R:思いました。でも本当は切ない詞でしたよね。
L:「彼がいるような人に恋して、いつか僕にも恋人ができると信じる」見たいな感じ。
R:つ、つらい...。
L:この繰り返されるギターのリフがエッチなのかな。
でも途中のブリッジの部分でのジョーの歌声にソウルを感じるよ。
R:切ない曲といえば次のこの曲もそうですね。
6.I Don’t Wanna Be Alone / シャイ(Shai)
93年に突然現れた、ハワード大学卒の4人組。デビューシングルがビルボードTOP3に入る活躍ぶりであった。2nd『Blackface』は世間的評価は低いものの秀作。その中からの切なすぎるナンバーをチョイス!
R:SHAIってどうもひ弱なイメージがあるんですよね。
L:やっぱり絶対的なボーカリストの不在が大きいんだろうね。ドゥルー・ヒル(Dru Hill)のシスコ(Sisqo)やジョデシー(Jodeci)のK-Ciみたいな。この曲に関してはそのひ弱=繊細なイメージをプラスにしてるよね。
R:JODECIの話が出たんでこの曲も聴きたいですね。
7.Forever My Lady / ジョデシー(Jodeci)
91年にシーンに現れたノース・キャロライナ出身のグループ。K-Ci&Jojoのヘイリー兄弟にデヴァンテ、ダルヴィンの4人からなるそのハーモニーは、ストリート感を残し、基本にゴスペルを置いたスタイル。正統派のボーイズⅡメン(BoyzⅡMen)と人気を二分する実力派。
R:ジョデシーのファーストはやはり前半のバラード群にやられてしまいました。
L:そうだよね。ファーストからアルバムごとに評価が落ち込んでいるけど、この『Nice’n Slow vol.2』収録の「Pump It Back」(3rd『The Show The After Party The Hotel』収録)もまた名曲だよねぇ。
R:詞はエッチだけどね。
L:エッチ系といえば、この人はどうでしょう?
8.Twisted / キース・スウェット(Keith Sweat)
ガイ(Guy)でデビューする前のテディ・ライリー(Teddy Riley)とともに、87年にR&Bシーンに旋風を巻き起こした人物。ファースト・シングル「I Want Her」は21週もチャートに居座った。このニュー・ジャック・スウィングの曲を聴き、キースがバラードに魅力のあるシンガーになると誰が予想できただろう。この曲は、96年発表のカット・クロース(Kut Klose)を従えた名スロウ。後に彼女たちもキースのプロデュースにより、アルバムを発表。
R:キース先生のこの路線も是非残しておきたいところ。
L:この人のデビューはテディ・ライリーの力量が評価されているけど、この人の力があってこそ。
R:だからこうして今もシーンに残っているんでしょうけどね。
L:贅沢をいえば、歌がもう少しうまかったらなぁ~。
R:じゃあこの辺で、ボーカルが魅力的な女性シンガーも聴きたいなぁ~。
L:またそのわざとらしいフリかよ!
9.Find Me A Man / トニ・ブラクストン(Toni Braxton)
ベイビーフェイス(Babyface)とのデュエット「Give U My Heart」で華々しくデビュー。その後はポップスファンまで巻き込み、今日のポストに君臨した。妹たちのグループ、ブラクストンズ(Braxtons)も『So Many Ways』と いうアルバムを残している。これまた秀作。LaFACEレーベルと契約する時、すでに妹たちもスカウトされていたという実力ファミリー。
R:『Nice’n Slow vol.1』は収録曲が有名どころが多いけど、その中でも負けずに印象的でしたよね。
L:やはりベイビーフェイス恐るべし...。
R:トニーつながりで、トニー!トニー!トニー!も聴きたいな。
10.I Care / トニー・トニー・トニー(Tony Toni Toné)
オークランド出身のドゥウェインとラファエルのウィギンス兄弟と従兄弟のティモシー・クリスチャン・ライリーの3人で構成されるソウルの申し子たち。ラファエルの歌声は賛否両論だが、この声が甘美な世界を作り出し ていると思われる。特に3rd『Sons Of Soul』収録の「(Lay Your Head On My)Pillow」は20世紀音楽史に残る極上のスウィートである。今回は2nd『Revival』から懐かしいスロウを。
R:この曲の詞は純愛ですかね。
L:最後に「僕の望みがただひとつかなうなら...避暑地の別荘に君を連れて行きたい。物音もしない...電話の音もしない...」みたいな、ね。
R:ロマンチストとしては、こんなこと言ってみたいねぇ~。
L・R:ハァ~……(妄想中)
R:あ、次の曲が聴こえてきましたよ。
11.Sensitive Heart / アンジェラ・ウィンブッシュ(Angela Winbush)
リネイ&アンジェラ(Rene & Angela)でデビューした後、87年に『Sharp』というソロアルバムを発表。プロデューサーとしてもその実力を遺憾なく発揮している。80年代のアイズレーズを支えたロナウド・アイズレー夫人。 最新作『Angela Winbush』からのグルーヴのきいたバラード。早く新作が聴きたいぞ!
R:リネイ&アンジェラのリネイは?
L:ソロアルバム出したけど、イマイチでした。ユニットはアンジェラの力が大きかったんだろうね。
R:アンジェラの実力に頼っていたということか~。
L:しかし、80年代のアイズレーズは彼女がいなかったらどうなっていたんだろうと考えると少し怖いな...。
R:でも、この曲を聴けば、やっぱりアイズレーズは永遠だと思いますよね。
12.Between The Sheets / アイズレー・ブラザーズ(The Isley Brothers)
邦題「シルクの似合う夜」としておなじみの、6人体制時に確立したメロウネス路線の代表作。この曲が生まれていなかったら、今日のスウィート路線はどうなっていただろうと考えさせられるほどの名曲である。よくサンプリングをされているが、もう少しリスペクトして欲しいものだ。
L:アイズレーズの代表作となるんだろうけど、クオリティを維持しつづけているところがすごいよね。
R:50年代のデビューでしょ。ロナウドも60歳を超えてるし。長いですよね~。
L:もうそろそろアイズレーズのトリビュート版なんか出てもいいと思うんだけどね。
R:もしそれが実現されるなら、次の曲のプロデューサーが必ず参加するでしょうね。
L:R.ケリーね。
13.Any Time,Any Place / ジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)
ほとんどの曲をジャネットとジャム&ルイスの3人で作っているアルバム『JANET』。その中から12インチで登場した甘美なスロウ。ジャム&ルイスRemixも最高だが、この曲の持つうねりがよく現れているこちらを選曲。詞 もR.ケリーの世界にしっくりとなじんでいる。
R:ジャネットの世界をR.ケリーが征服した感じがしますね。
L:それくらいR.ケリー色が強いよね。
R:これはアルバム・ヴァージョンとは随分違いますね。
L:どうしてもこのヴァージョンが欲しくてね~。12インチをたまたま二日市(福岡県筑紫野市)の中古レコ屋で見つけてね。即効、買いました!
R:店長がヘビメタ野郎みたいな感じなんだけど、妙に礼儀の正しい人のお店でしょ。
L:そこでこの人の12インチも買った事があったな~。
14.I Hate U / プリンス(The Artist Formerly Known As PRINCE)
今やK1のオープニング曲となってしまった「Endorphinmachine」も収録のアルバム『The Gold Experience』からの力のこもったバラード。エンディングの気の狂ってしまったようなギターのリフが印象的で、かつプリンス らしさを表現している。「愛しているから憎んでしまう...。」っていう、心が締め付けられるような詞も印象的!
L:まぁこの曲は12インチではないんだけどね。
R:壮大なバラードですよね。
L:圧倒されそうなくらいにね。プリンスのメロディ重視の曲は、やっぱりカッコイイ!
R:ちょっとクルってるプリンスもカッコイイんですけどね。
L:しかし、100年後にも必ずミュージック史に名を刻まれている人だろうな~。ロックとR&Bの融合を実現させた人物としてね。
R:その歴史に残る名曲って、この曲じゃないです??
15.No One Else Comes Close / ジョー(Joe)
一転して、アコースティックギターが心地よいこの曲。こんな名曲はそうそうリリースされないと思う。ちなみにゴスペラーズもカヴァーしてたりする。なるべく、この曲に関してはひっそりと、なるべく話題になって欲し くないなぁ~と考えていたんだけど...。そんな理由からあまり他の作品には選曲しなかった!今回は、泣かせるためにエンディングとして収録!
L:この辺で皆さんオオ泣きのハズです。
R:暖かい曲ですね~。
L:必ず自分の結婚式で使います。
R:え、予定あるんですか?
L:………全く…ない………
R:これから頑張っていきましょうね、もういい年齢なんだから!
L:うぃ~す。
L・R:全15曲いかがだったでしょうか?お相手は、INTEC205のレフトスピーカー:Lとライトスピーカー:Rでした!それでは、次回『Nice’n Slow vol.20』でお会いできるかどうか微妙なところですが、そのときまで!TAKE CARE!
(2003.04.18)