元マンチャイルド(Manchild)のダリル・シモンズ(Daryl Simmons)の元でオーディションを受けて認められたアーロン “デポンス” ヒラード(Aaron “Deponce” Hilliard)と、デヴィッド・モリス(David Morris)と、ティム・トーマス & テッド・ビショップ(Tim Thomas & Ted Bishop:ゴスペルデュオなどを手がけたチーム)に認められたトニー・アーミー(Tony Amey)とディメール・バークス(Demail Burks)。2つの実力派のコンビが邂逅し、結成されたのがこのカルテットである。
ボーカルグループの隆盛期に、いよいよラフェイス(LaFace)から、という背景もあり、内外からもかなりの期待が集められていた。
まずお披露目は、93年の『LaFACE Family Christmas』。この作品のオープニングの「Silver Bells」と、クロージングの「Merry Christmas My Dear」を担当。テンとトリを飾るとは、当時の期待度の高さを証明しているといえるだろう。
デビューシングルは94年の「A Lil' Somethin'」。この楽曲は、周囲の期待とは裏腹に、チャートリアクションはふるわず、R&Bチャート73位という結果であった。そしてアルバム『A Thang For You』をリリース。さらにここで事件が発生。収録楽曲のサンプリング問題で、店頭にならんだ10日後には回収というとんでもない事態(といいながら向こうではお蔵入りなどは茶飯事)になってしまう。華々しい活躍を約束されていたかのような彼らは、大きな挫折を味わうことになった。
このままでは終われないラフェイスは、回収されたアルバムを再構築。ダラス・オースティン(Dallas Austin)を迎え、数曲を差し替え。『Take A Dip』として再リリースした。その仕切りなおしに選ばれたシングル「Tonite」は、R&Bチャート44位。思ったほどのリアクションは無かった。結局彼らのグループとしての代表曲となったのは最後のシングル「Have I Never」。ベイビーフェイス(Babyface)印のバラード(R&B32位、POP76位)であった。
(2012.07.01)