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『The Concept』(1993)1993
yours_truly-truly_yours

Review

-オハイオ州クリーヴランド出身-

上記見出しを聴けば、それだけで即買い。レヴァート(Levert)信者であれば間違いないだろう。確かに彼らは4人とも高校生まではクリーブランドハイツにいた。しかし、この作品はL.A.にオフィスを構えていた“サード・ストーン・レコード(Third Stone Records=アトランティックの子会社)からリリースされており、スタジオも含めて西海岸で制作されている。そんな事情から、クリーヴランド色はほぼ無いと言える。

-勉強不足ですみません!-

制作にあたったのはボールド・ニュー・ミュージック(Bold New Music Inc)という組織のテディ・ボールデン(Teddy Bolden)ジョニー・ボールデン(Johnny Bloden)。他に、デヴィッド・リー・ステュアート(David Lee Stewart)がペンをとっている。…が、正直。どちらも知らない方々。筆者の勉強不足だろうか。制作スタジオは全てカルフォルニア州のようなので、そちらでは有名な方々なのだろうか…。

その中で唯一知った名前が!③「You'll Never Find Another」を手掛けたイライジャ・ベイカー(Elijah Baker)である。カルフォルニアをベースにしているトニーズ(Tony Toni Tone)の作品に関わっている彼で間違いないだろう。

-白眉な1曲と佳曲-

そんなこの作品だが、予想通りと言ってはなんだが、やはりベイカーの手がけた前出の出来が群を抜いている。リードのアントニーの線の細い声にあった軽快なアップは、ベースのチョッパーの音やブラス風のシンセなどちょっとした音仕掛けが施されている。

爽やかスロウの⑤「It's O.K.」はトロンボーンの音色が穏やかな楽曲。間奏のソロは夏の避暑地といった雰囲気。詞にも歌われているとおり、リラックスできる。またそれに続く⑥「Love Alibi」がいかにもニュージャック期に制作されたスロウという打ち込み中心のスロウ。グループで歌うことを条件としたような作りになっている。ボーイズ・グループが歌いそうな⑧「What Can I Do」は、ポップ寄りのかわいらしい楽曲。これが一番彼ららしいと言えるのではないだろうか。

-筆者自身のせいかもしれないが…-

しかしながら、正直コーラスワークが寂しい。分厚く、強く歌えるキャラクターはいなかったのだろうが、他の楽曲も含めてもう少し歌いこんで欲しかった。オハイオ出身という期待値が高かっただけに、ハードルを上げてしまったのかもしれないが、そこが残念だった。

(2020.01.21)

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