1. 『Tamar』
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『Tamar』(2000)2000
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Review

-七光りではない-

ブラクストンズ・ファミリー、第4女のソロアルバムである。新生ブラクストンズ(The Braxtons)として、『So Many Ways』(96年)をリリースしたときに、リードをとっていたのがこのテイマー嬢。その歌唱力はやはり抜群。これは血の問題なんだろうなと改めて思い知らされた。お姉ちゃん:トニ・ブラクストン(Toni Braxtons)の七光りで、デビューしたわけではないことが証明された。

-サポート-

サポートするのは、ブラクストンズから引き続き、トリッキー・ステュアート(Christopher Alan “Tricky” Stewart)。それから、ティム・ケリー&ボブ・ロビンソン(Tim Kelley & Bob Robinson)ダレル “ディライト” アランビー(Darrell “Delite” Allamby)、それからミッシー・エリオット(Missy Elliott)も1曲参加している。

この中でも、トリッキーは長い付き合いということもあり、良い仕事するのはもちろんのこと。中でもテイマーと共作している⑫「The Way It Should Be」は、ニュージャック期の打ち込み感を散りばめ、その古さに新しさをブレンドさせているようなトリッキーらしさをふんだんに発揮している。

しかし、今回はそのトリッキーを上回る活躍を見せたのが、ティム&ボブ。⑧「You Don't Know」でみせる清潔なバラード、ダウン・ロウな雰囲気から、透明感のある転調を見せてくれる⑪「Words」、地味ながら歌い上げるというブラクストン家のお家芸を見せてくれる⑬「Miss Your Kiss」と作品の目立たないが大切な柱を手掛けている。

ミッシーの③「No Disrespect」は、チャレンジっていう意味では、認めるべきなのだろうが、ん~、なんか…。

しかしながら、続く④「Money Can't Buy You Love」はアルバムの中でも出色の出来。手掛けたのはディライト。らしさをきちんと届けてくれている。⑦「Once Again」も彼らしい切ない憂いを伴ったスロウ。トニのアルバムに入っていたとしても全く違和感がないだろう。

-方向性-

姉、トニといえば、デビュー時期などから、メアリー・J.ブライジ(Mary J.Blige)と(セールスにおいて)比較されることも少なくない。メアリーのヒップホップ・ソウル路線よりは、やはり姉と同方向へアプローチのほうが、やっぱりしっくりくると思う。次回作が出るならば、この方向の継続をお願いしたい[1]

[1]2013年リリースの2ndでは期待通りの方向性で、ほっとひと安心しました。

(2005.11.30/2015.04.16)

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