1. 『Rude House』
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『Rude House』(1992)1992
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Review

-包まれる-

トレヴェル・プロダクション(Trevel Production)は、きっと家族のような(もちろんレヴァート(Levert)家はホントの家族なのだが…)雰囲気に包まれているのだろう。とにかく送り出すアーティストは、いつもしっかりサポート。その手厚さが感じ取れる。前作よりも後退はしているものの、当然ジェラルド(Gerald Levert)がイニシアチヴを握る。そのパートナーがマーク・ゴードン(Mark Gordon)からエドウィン・ニコラス(Edwin Nicholas)にシフトし始めたころの作品となる。

-邂逅-

先行シングルは③「My Kinda Girl」チャッキー・ブッカー(Chuckii Booker)とトレヴェルの邂逅がうれしいチャッキー節全開のニュージャックである(作曲はジェラルド&ニコラス)。R&Bチャート2位を獲得したのがうなづけるプロダクションは、チャッキー特有のチャカポコ感、トゥループ(Troop)「Spread My Wings」を彷彿させるPOPな雰囲気が、軽いのに飽きない。そこに絡むナヨ声とバリトン。ヒットした要因が良く分かる。時代は感じるが現在でも充分楽しめる楽曲である。こののようなニュージャック系のアップは、出だしの①「Rude House」②「Tell Me What You Like」から続く。このあたりは時代を感じるところだ。ちなみにはジェラルド&マーク・ゴードンのコンビによるものだ。

-メンバーも楽曲を手がける-

続く④「Messin Around」はメンバー:ラリー・マーカス(Larry Marcus)の手によるもの。これはいかにもレヴァート色濃厚な温まるライト・ファンク・テイストな楽曲。グループの特性をよくとらえて作られていると感じる。

前作でヒットした「Written All Over Your Face」をなぞったといえる⑩「Always」も同路線のラブリーな雰囲気に包まれる。ラリーは他にも⑥「Miss You So Much」⑧「This Love」⑪「There's No Doubt」の制作に関与。特にではコーラス・グループの利点を活かしたサビの分厚いコーラスは、彼らが歌えるからこそ作れるものではないだろうか。そしてでのシャッフル調ミディアムは純粋に楽曲の良さが際立つ。他の楽曲でもメンバーの参加も目立ち、積極的な姿勢が嬉しい。

-大御所-

⑨「True Apology」エディ・レヴァート(Eddie Levert)&デニース・ウィリアムズ(Deniece Williams)のコンビによるスロウ。期待を裏切ることもなく、外すハズもない彼ららしい仕上がり。若い彼らに“大人とはこういうものだよ”とでも言わんばかりの落ち着いた楽曲である。

-空クジなし-

ここに書ききれていない楽曲も秀作ぞろい(⑫「Praise Song」だけはいらなかったような…)。最初と重複するが、これがトレヴェルの手厚いサポートなのだろう。“トレヴェルにハズレなし”。これほど安心できるレーベルも珍しい。

(2011.06.07)

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