1. 『Let's Get It On』
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『Let's Get It On』(1996)1996
RODNEY MANNSFIELD 『Let's Get It On』

Review

-確かに-

1996年は、ニュー・クラシック・ソウルが流行し、エリック・べネイ(Eric Benet)エリカ・バドゥ(Erykah Badu)などのアーティストが登場した重要な年。そのような年にエクスパンション(Expansion)からリリースされたのがこの作品である。

-時代遅れの恋心-

1993年のデビュー作『Love In A Serious Way』は、ギャリー・グレン(Garry Glenn)ゲイリー・テイラー(Gary Taylor)が参加した作品で、話題性も充分ながら、その内容も秀逸。時が経過しても高く評価されており、筆者も愛聴盤である。しかし、それが時代に合っていたかと問われれば、“No”ということになってしまう。もう5年前なら間に合ったかなぁと思わせてくれる、良い意味での“時代遅れ盤”であった。

そんな雰囲気の1stだったわけだが、この2ndも“ホントに96年産!?”と疑いたくなるほどの世界観。ニュージャック前夜の雰囲気満載である。

-疑いは晴れず…-

制作はほとんどロドニー本人とアンソニー“T-LUV”バラ―ム(Anthony “TLuv” Barham)という人物が行っている。このあたりはメジャーからインディへと進路を進めているので仕方ないところだろう。ゆえに多彩なゲストは見込まれない。地元フィリーのヴェロニカ・アンダーウッド(Veronica Underwood)②「Let Me Know」のデュエットで迎えている程度である。

前作の雰囲気をそのまま持ってきた①「Call Me」に力を注いでいることは間違いなく、リミックスも⑫⑬と収録。確かに前作やキース・ワシントン(Keith Washington)の1stのような、ニュージャック期の佳曲である。しかしながら前出のとおり、楽曲はいいのだが、やはり“ホントに96年産!?”である。リミックスを聴くとさらにその疑心が深まる。

そんな疑いはずっと続く。スロウの④「I Adore You」⑤「I Can't Live」はロドニーの得意とする分野。甘すぎない甘美な、かといって優等生なつくりでない(もちろん誉め言葉)ところが好感が持てる。

-結局、他の方と意見が同じになってしまう-

仕方がないと何度か書いてしまったが、やはり1stを越えることはできなかった。できれば大勢の意見とは逆のことが書きたい…エクスパンションだし…と、期待しすぎたこちらのせいなのかもしれない。ジャケットも…ね。残念な感じだしな…。1992年産として聴くとまた違うかもしれない。

(2019.12.15)

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