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『Soulstar』(2003)2003
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Review

-トータルで聴く-

個人的に「この1曲のためにアルバムを買った!」という作品よりも、「トータルで好き」な作品を好んでいる。このミュージック・ソウルチャイルドの3rdはまさに後者。1枚を安心して楽しめる。

-タイトル負けしない-

タイトルは『Soulstar』。かなり大きく出た。しかしながら、デビューしてからのフィリーでの人気ぶり、そしてレーベル、デフ・ソウル(Def Soul)のなかでのポジショニング。そう考えると、うなずけるタイトルなのかもしれない。その地元を意識した、フィリーサウンドを見つめなおした“ソウル”作品を作るところもスターと呼ばれる所以だ。

-先輩方への敬意-

スタートから①「Soulstar」から、フィリーの大先輩、スピナーズ(The Spinners)の「I Found Love (When I Found You)」ネタ。③「Womanopoly」のスウィート感、④「Forthenight」のスムーズ・ダンサー…。ひたすら70年代の雰囲気が楽しめる。⑥「Whoknows」⑦「Babymother」では、前作の「dontchange」直系のバラードにジャズをブレンドした浮遊するスロウ。ダリル・ホール(Daryl Hall)のアルバムタイトルとかぶってしまうが、“フィリー・ムード”満載だ。しかしながら、どうしてもローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)のカヴァーが理解できない…。前作もビートルズ(The Beatles)のカヴァーがあったのだが…。あれも…。

-ゲスト-

ゲストの参加は前出では、元アン・ヴォーグ(En Vouge)ドーン・ロビンソン(Dawn Robinson)⑨「Momentinlife」では、キンドレット・ザ・ファミリー・ソウル(Kindred The Family Soul)夫妻とシーロー(Cee-Lo)。そしてフィリー・ソウル・ファンへのお楽しみは⑪「Dontstop/Her」でのビラル(Bilal)との競演。デビュー時期、フィリー出身という共通点を持つ、地元のスター2人のバトルは必聴もの。思わずブランディ&モニカ(Brandy & Monica)の「The Boy Is Mine」を思い出した。

-融合-

ヒップ・ホップからの影響を素直に認めつつ、70年代ソウルなどに敬意をはらう。こういった形(お互いに認め合う)の新旧の融合こそが、彼の理想のスタイルなのだろう。

(2005.11.04)

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