1. 『Melodic Massage』
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『Melodic Massage』(1997)1997
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Review

-メロウ大王への賛辞-

『Melodic Massage』...。もう、タイトルきいただけでニヤけてしまう。しかも、2曲目に「I Want You」のカヴァ。リオン・ウェア(Leon Ware)『Musical Massage』を意識した作品は沢山あるんだろうけど、ここまで直球なのは、リオン・ウェア・リスペクトを大きく示したかったからなんだろう。中身もエロエロメロウになっている。

-スムーズなスロウ-

①「Tonight's The Night」 の冒頭から流れるようなスムーズな音色の上にミキの声が乗る。もうコレだけで彼の存在感を意識させられる。「歌があんまりうまくないんじゃ…?」そんなことが小さいことに感じてしまう。それにつづく ②「I Want U」。原曲に忠実にメロウに仕上げるかと思いきや、少々エッジを効かせた“ハネ”で楽しませてくれる。

そして早くもお楽しみのスロウタイム。③「This Kinda Luv」は内省的な私小説?暗いトーンにピアノの旋律が繊細な佳曲である。そこに丁寧に声を重ねていく。筆者の大好きな1曲となった。余談だが、この楽曲が好きであれば是非お勧めしたいのは、モンテル・ジョーダン(Montell Jordan)の「What's On Tonight」。ピアノの切ない音色に同じ世界観を感じる。

-アイズレー色-

スロウタイムはまだまだ続く。 ④「Can I Come Over」はピースフルな、⑤「Everlasting Love」はエロティックな、⑦「Lay Your Hands On Me」は、アーニー(Ernie Isley)がギターを弾いてくれているような(「Voyage To Atrantis」っぽい)それぞれの楽曲でひとりアイズレー(The Isley Brothers)を楽しんでいる。

ミディアムの2曲を挟んで、こんどはダウンロウ調な⑩「Heaven's Missing An Angel」。90年代のメロディにニュージャックっぽい音を挟み込んだ温故知新な楽曲だ。また、⑪「Still n Luv」アイズレー・ジャスパー・アイズレー(Isley Jasper Isley)「Caravan Of Love」をアップデイトした風味。いたるところにアイズレーな音色が散りばめられており、そこが魅力とも言えるのではないだろうか。

-レジェンドへのリスペクト-

リオン・ウェアのアルバム・タイトルを意識しながら、中身はアイズレー。もちろんそれだけではないのだが、レジェンドたちに、正面からしっかりと敬意を払っている。とにかくながく聴いていたい、タイムレスな良作になっている。

(2009.07.06)

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