-R.ケリーそっくり-
その風貌からしてR氏。それだけでもシカゴから火がついたというのが納得できるミスローン(Methrone)であるが、この2ndの内容を聴けばさらにその思いが深まることだろう。それだけスロウ、とくにエロ系が充実している。
-影響を素直に表現-
ささやきから始まるイントロ①「Picture Me」を通過すると、すぐにベッドルームへ。②「Bed 2 The Floor」からエロモード全開である。R.ケリー(R.Kelly)の『12Play』での「Bumpin' Grind」を彷彿とさせてくれる粘着系スロウだ。続くミディアムの③「Sexin' Me」も、タイトルからR氏の影響モロ出し。ここにミディアムを挟むことで作品全体の動きを感じることができる曲の配置がうれしい。
④「Double Play」は、タイトルを何度も繰り返しささやくのだが、それが“Twelve Play”に聴こえてならないのは、やはりわざとなのだろう。ここまでくると、潔いとしか言いようがない。
そしてこれまた真夜中仕様。おなじような雰囲気を⑥「Break It Down」⑦「Slow Dance」⑨「Freak 4 You」でも繰り広げる。どれも粘着スロウだ。特に⑨のサビの部分、ファルセット系のコーラスが妖艶で嬉しい。
-日本人好みのメロディ・ライン-
そして⑩「Taking U Slowly」。イントロから語りが入り、つづく誠実なメロディライン。好感を持たないヒトなんているのだろうか?と思ってしまいたくなるほどだ。ブリッジ部分で、優しいコーラスに乗せる吼えがまた嬉しい。筆者としては、もっと吼えても良いくらいなのだが…。あまり濃い味付けは体に悪いし、これでよいのかも知れない。
-楽曲はイイんだけど…-
ひとつだけ不満が。⑧「Got To Give It Up」なのだが、この流れでこの曲?と思ってしまう。曲はマーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)のカヴァだからもちろん悪くはない。しかしこの流れで…。個人的には少々残念でならない。最後にボーナストラック扱いでも良かったのではないかなと思ってしまう。
-インディ万歳!-
とはいえ、たっぷり妖艶なスロウが楽しめることは間違いない。R.ケリーの性愛路線が大好きなヒトは100%、間違いなくお気に入りになるはずだ。こういう内容が詰め込めるのは、やっぱりインディ・リリースのおかげと言えるだろう。
(2011.04.24)