1. 『I Miss You』
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『I Miss You』(1995)1995
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Review

-シカゴ・ギャングスタ―ズは未聴なのだが-

バイオグラフィーでも紹介したとおり、彼らの歴史は長い。改名に次ぐ改名。どのように音が変わってきたのか…を、様々な文献を閲覧し調べたのだが、どれに書かれているのも、正直「シカゴ・ギャングスタ―ズ(Chicago Gangstars) とどう違うの⁇」ということが記されていた。

-昔から言われていることは…-

過去の作品を聴いている方々が、口々に語られている内容をまとめると…。

❶ファンクバンドでありながら、スロウの出来が良い

❷正直、ファンクに魅力を感じる曲が少ない

❸チープ感が漂うのだが、なぜか憎めない

以上のような結果になるだろう。そして、この感想がピタリと当てはまるのが本作である。改名しながらも本質は変わっていないということになるだろう。 サポートしているメンバーも、ギャングスターズと重複する人物[1]が多数存在する。

-本作も自身の魅力を把握している-

やはりバラードが魅力的である。リリース時の95年にはちょっと古い音作りだったのだろうが、現在となってはその味付けがうれしい①「Don't Go」③「Is It Enough」の2曲の粘着系スロウは、癖になりそうな香りが充満している。また、のリプライズである⑭「Is It Enough (Reprise)」を作品の締めに使っている辺りは、彼ら自身がその魅力に気付いているからなのだろう。この楽曲で1枚を閉めるというところは非常に好感が持てる。

ミディアム④「Tell Me (Do You Wanna Make Love)」も世界観としては上記の2曲の延長線上。但し、タイトルがそのままなのに対して、“楽曲が醸し出すエロさ”がもの足りないのが残念である。

-伝統行事-

昔からカヴァを多数やっているようで、さらに王道を選ぶことが定番になっているようである。今回は、②「Inner City Blues(Make Me Wanna Holler)」(マーヴィン・ゲイ/Marvin Gaye)⑧「I Miss You」(ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツ/Harold Melvin & the Blue Notes)と、相当の実力を持っていないと臨めないと思うわけだが…。やはりオリジナルを超えるというのは難しいことである。

-フュージョンも好きなのだが-

彼らの特徴を考えると、予想通りともいえる内容。全体的に、正統派からヒップホップまで(良い意味でも悪い意味でも)幅広く表現されており、バランスは良いといえる。だが、インストである⑪「Lauren」は何故入れたのだろう。楽曲が決して悪いわけではないのだが、急にフュージョンが始まるので、正直戸惑ってしまった。楽器も弾けるというアピールなのか?ベテランにその必要性があったのだろうか。それとも、これも伝統行事なのだろうか?筆者の勉強不足を感じた。

(2017.02.20)

 

[1]パーカッションのレックス・リー(Rex Lee)やピアノのグレッグ・スミス(Greg Smith)など。シャロン・ジョーンズ(Sharon Jones)の名前も見えるのだが、ダップ・キングス(The Dap Kings)のシャロンなのだろうか?

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