1. 『Let's Get The Mood Right』
  2. JOHNNY GILL
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『Let's Get The Mood Right』(1996)1996
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Review

-今では考えられない作品間隔-

ニュー・エディション(New Edition)が『Home Again』でリユニオンを果たした1996年、ジョニー(Johnny Gill)はもうひとつ仕事をこなしていた。それがこの5thである。

-贅沢なゲスト陣-

今回はゲストが贅沢すぎる。曲順で確認してみると…
①「Let's Get The Mood Right」ベイビーフェイス(Babyface)
②「Touch」:ビッグ・バブ(Big Bub)
③「Maybe」⑥「Take Me」:ジャム&ルイス(Jimmy Jam & Terry Lewis)
④「Having Illusions」⑤「Bring It On」:トニー・リッチ(Tony Rich)
⑦「Love In An Elevator」⑫「Simply Say I Love You」⑭「So Gentle」⑮「All He's Supposed To Be」キャラクターズ(Characters)
⑨「Someone To Love」:R.ケリー(R.Kelly)
⑩「4 U Alone」:アル・B.シュア!(Al B. Sure!)
⑪「Love You Right」:ジャーメイン・デュプリ(Jermaine Dupri)

とまぁ~、おいくら万円かかっているのか心配になってしまう名前が並んだ。

さらにフィーチャリング・ヴォーカルも、
⑧「It's Your Body」:ロジャー・トラウトマン(Roger Troutman)
⑫「Simply Say I Love You」:スティービー・ワンダー(Stevie Wonder)

なんと、レジェンドのおふたりの起用。今では考えられない布陣である。

-セールス=内容ではなく-

上記の理由でハズレるはずもないこのアルバム。しかし、セールス的には…。ちょうどニュークラシック・ソウルのムーヴメントにより、男性ソロが注目されていた時期だったので期待できると思っていたのだが、ベテラン組みには厳しかったようだ。しかし、スロウ中心となったその内容は濃密。あえて欠点を挙げるとすれば、アップ~ミディアムが少なすぎる(というか、ほぼ無い)という点。もう少しメリハリは欲しかったという印象は正直なところだ。

-白眉は…-

その中でも白眉なのは、今は亡きロジャーとの⑧「It's Your Body」だろう。ディープなジョニーの声と、ロジャーのトークボックスの高音のバランスが絶妙である。「My My My」の世界観に通じる。

また、制作人の中では、キャラクターズの働きぶりに注目。担当した4曲では、起伏の少ない作品全体に、微妙な調味料を加え(入れすぎると失敗する)ている。

-この先、15年待たなければならなかった-

この次の作品は、2011年の『Still Winning』である。次の作品まで実に15年の歳月を待たなければならない結果となった。もちろんLSGでの活動はあったのだが、これは長かった…。R&Bの環境が良くないことは重々理解できるが、もう少しコンスタントにリリースして欲しいというのが、個人的希望である。

(2005.12.22/2011.04.15/2015.01.17)

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