1. 『All That I Am』
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『All That I Am』(1997)1997
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Review

-ロマンティック-

97年リリースの2nd。

「R&Bはもともと、もっとロマンティックだったはずだ」

と本人が語っているとおり、UPな曲を1st『Everything』よりも減らし聴かせる内容となっている。

-じわじわと-

話題は当然①「All The Things(Your Man Won't Do)」。この曲は、95年に『Don't Be A Menace』という映画のサントラに収録されており、口コミでチャートを駆け上がった。なんと翌96年のR&Bで最もエアプレイされた曲にまで成長した。1stだけ契約したマーキュリー。その後のジョー(Joe Thomas)の活躍を含めて、当時の担当者はつらい目にあったのではないだろうか。

-名作ぎっしり-

このシングルに負けじと、他も秀作がズラリ。②「The Love Scene」④「Good Girls」では、R.ケリー(R.Kelly)風にしっとり。とくにのイントロのギター音、囁くようなヴォーカル、ブリッジの熱いシャウト。ベッド・シーンへの想像を掻き立てるエロス(もちろん褒め言葉)がたまらない。

⑧「No One Else Comes Close」は、トニー・リッチ(Tony Rich)のお株をうばうアコースティック・バラードの名曲。ベイビーフェイス(Babyface)の「When Can I See You」から始まったとされる、ソウルとアコースティック・ギターの融合は、ここに完成されたのではないだろうか。数々の結婚式の場で流れたであろう。

-プロデューサー-

プロデュースでは、③「Don't Wanna Be A Player」では、テディ・ライリー(Teddy Riley)のアシスタントであったロドニー・ジャーキンス(Rodney Jerkins)。トークボックスで始まる感覚は、ニュー・ジャック・スウィングの洗礼をうけてきたジョー(Joe)にとって、違和感なく入り込んだことだろう。⑤「How Soon」には、おなじみジェラルド・リヴァート(Gerald Levert)&エドウィン・ニコラス(Edwin Nicholas)。あこがれのコンビとの競演の相性は、言うまでもなく抜群である。

-ソウル・マン-

このアルバムがプラチナム・ディスクを獲得し、知名度も世界的になった。3年後の3rd『My Name Is Joe』では、その影響から売れ線ポップ路線へ行きかけ心配だったが、4th『Better Days』にてソウルに回帰。ほっとひと安心したのは筆者だけではないことだろう。

(2005.04.24)

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