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『Dru Hill』(1996)1996
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Review

-ブーム終結後のデビュー-

ボーイズⅡメン(Boyz Ⅱ Men)ジョデシィ(Jodeci)の2大コーラス・グループが隆盛をきわめていた90年代前半は、この流れに乗って、まさに”雨後の筍”状態で次々とグループが生まれては消えていった。

そんなブームも終わり、生音に回帰した”ニュー・クラシック・ソウル”な時代(それも意識して?か⑤「What Ever U Want」では、トニーズ(Tony Toni Toné)の同名異曲のコーラスが聴ける)にデビューしたのがこのドゥルー・ヒル(Dru Hill)だ。 本人たちも認めているように、どちらかというとジョデシィ・フォロワー的なのは否めないが、それを若干お行儀をよくしたカンジ!?とでも言おうか…。といいながらも、しっかりと自分たちのスタイルを確立して行き、フォロワーで終わらなかった彼らの実力。これは全米が認めるトコロだろう。

-キース教授を筆頭に、充実のスロウ群-

このデビュー作は、キース・スウェット(Keith Sweat)のブレーンともいわれていたハイラム・ヒックス(Hiriam Hicks)がエグゼクティヴ・プロデュース。その人脈もあり、キース本人も2曲を手がけている。その⑫「Love Train」⑬「Share My World」の出来の素晴らしさ。2曲とも、キースにしては純愛路線(エロくはない、ということで)。とくに後者での語りかけるような説得にはひれ伏した。

その他、グループがこの世界に入るきっかけとなった③「Tell Me」(マイロン(Myron)作曲!!)、ダリル・シモンズ(Daryl Simmons)によるピロー・ジャム⑪「In My Bed」、セルフ・プロデュースによる三連バラード⑭「5 Steps」などなど、とにかくスローが充実している。こういうところでのコーラス・ワークは、教会育ちのシスコとウッディの影響が大きいのだろう。また、チョット蛇足なカンはあるけど、⑯「This Christmas」もポップでカッコ良い。これまたお求めは日本盤を推奨したい。

-アイドルではなく、アーティスト-

結局、150万枚の大ヒットとなったこのアルバム。当初アイドル的な扱いもあったみたいだが、やっぱり歌える、そして全員が楽器が出来るという実力派軍団でなのである。

(2005.12.16)

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