1. 『Sexy Versus』
  2. AL B.SURE
  3. artist
  4. privatesoulmusic
『Sexy Versus』(1992)1992

Review

-ヒットから数年-

「Nite and Day」のヒットから、早速“女殺し”的イメージで売り出し。その路線を突き詰めたのが、この3rdである。発売当初、“親の忠告が必要。露骨な表現あり”なんてステッカーが貼られていたらしい…。まぁ、タイトルも『Sexy Versus』だし、歌詞もエロイし、仕方ないところか。そうやって売り文句にしているわけなのだが、それに応える濃厚なバラードの仕上がりがたまらない一枚である。

-NJS時代のスロウ-

シングル曲となり、当然のようにR&Bチャート制覇を成し遂げた①「Right Now」から。妖艶なギターからはじまり、すでに真夜中。ようこそアルの部屋へ、とでもいったトコロか!? 続く②「U & I」は、おもわずデビュー当時のジョデシー(Jodeci)を思い出してしまう1曲。しかしながら、これをプロデュースしたのはデヴァンテ・スウィング(DeVante Swing)ではなく、アル・B本人と、キャンマ・グリフィン(Kiyamma Griffin)。それまで一緒に仕事をやってきたデヴァンテの影響がもろに感じ取れる。分厚いコーラスの積層が織り成す、いかにもこの年代、といえるニュー・ジャック・バラードである。この曲がジョデシーへ提供した「Forever My Lady」につながって行くのだと思う。

-デヴァンテの力量-

そのデヴァンテが担当したのは③「Playing Game」。都会の夜が似合うようなミディアム・スロウである。最後にシンセの音とアルの声が混ざり合い、怪しげな雰囲気をかもし出している。ちなみにデヴァンテは⑦「Turn It Out」も担当している。

④「Natalie」は冒頭の男女の会話から、R-18指定。エロすぎ。詞もメイク・ラヴについて。まさしく、カイル・ウエスト(Kyle West)とアルの表現したい世界ではないだろうか。

-NJSも、もちろん収録-

その後、中盤はニュージャックなアップが続く。ようやく落ち着けるのは⑩「I Don't Wanna Cry」あたりから。ファルセットで歌うアルの声を活かしたミディアムだ。⑪「Die For You」では女性とのデュエットで、ヤサ男振りをみせ、⑫「I'll Never Hurt You Again」では、子どもたちの声を冒頭に登場させるピースフル(歌詞は失恋?)な音作りで安心させる。アップでハードな部分を見せつつ、スロウで安心させる…このギャップに女性は喜ぶのだろう。

(2006.01.20/2010.09.24)

List

TOPへ