-移籍-
古巣モータウンを離れ、ほとんどの曲をセルフ・プロデュースにするという意欲作。デビュー10年目に発表した4thである。3rdの発表の頃から、モータウンでは社長の相次ぐ交代劇があったり、会社として激動の時代であったようだ。そのため、会社も売り上げを追求することを1番に考え、アーティストの意向など耳も傾けなかったようだ。
そういったことを背景に、看板スターであった彼らもモータウンから離れることに。そして今作はユニヴァーサルからのリリースとなった。(この後、LAリード(Antonio “L.A.”Reid)との関係もあり、すぐにアリスタに移籍してしまうのだが…)
-相性-
さて中身。セルフ・プロデュースが増えたといっても、シェップ・クロフォード(Shep Crawford)、シェイクスピア(Kevin“She'kspere” Briggs)やマーヴィン・ウォーレン(Mervyn Warren:exTAKE6)など、押さえるべきところは押さえている。でも個人的にはシェイクスピアの曲は、彼らにはミスマッチな気がする。流行の音を意識しすぎて、本来の彼らのハーモニーなどを活かしきれていないのではないだろうか。
そういった意味ではシェップ・クロフォードの起用は大正解!メンバーとの共作である⑥「I Finally Know」は、ドゥルー・ヒル(Dru Hill)の得意とするパターンを拝借し、引き伸ばしたような仕上がり具合だ。切ない系のこの曲は、まさにシェップの真骨頂!!そして⑩「Thank You In Advance」も同様の路線。涙腺を誘う曲調とハーモニーは相性抜群だ。
-メンバーのプロデュースも秀作-
その他、メンバーのプロデュースによる曲もなかなか秀作。②「Step On Up」でみせる軽い曲への対応。バラードだけを歌うグループではないことを宣言しているように聴こえる。またショーン・ストックマン(Shawn“Slim”Stockman)による⑪「Never Go Away」でみせる、お行儀良く聴かせてくれるトコロは、まさしく彼らのための曲という気がしてならない。この辺はやっぱりハズせない。
-遺産ではなく-
このところカヴァー集ばかりでチョット淋しい。やっぱり自作で勝負してもらいたい。彼らほどの実力があるならば、やってくれると思うのだが…。
(2006.04.14)