-パワーダウンの懸念-
H-タウン(H-Town)と同じく3人組となってしまったU-マインド(U-Mynd)の2nd。しかもインディ発となればパワーダウンも否めないか…という心配があったのだが、それも飛ばしてくれる音を届けてくれた。
-スロウにスポットをあてる-
前半はアップ~ミディアム、後半はスロウという構成。前半のミディアムも、熟成したニュージャック、といった感じで楽しめるのだが、キキドコロはやはり後半。 ⑦「Freaky Situation」からはじっくり聴きたい。
タイトルからして期待してしまう⑦は、「スココン!」の音が嬉しいキース・スウェット(Keith Sweat)系羊スロウ。低いリードにファルセットのコーラス部分が映える。組曲のように⑧「Whisper」へ。こちらも⑦同様のスココン系スロウ。音の作りこみもほぼ同様で、統一感がたまらない。
⑨「Don't Take Your Love」はメロディだけを取り上げれば、優等生系バラードなるところを、そうさせない彼ららしい黒い味付けを施している。
インタールードにはもったいない⑩「On And On」。さらに先を知りたくなるという効果を演出している。 ファルセットが印象的な⑬「Taste Your Love」はイントロから楽しみたい。⑫「Taste Intro」は映画のワンシーンを彷彿させるドアノックのシーンが印象的。それに続く⑬では、むせび泣くようなリードと語りのバランスが絶妙。やっぱり低い声の語りは必要不可欠といえる。
⑭「Love?」はちょっと悲しげなミディアム。丁寧なコーラスにのるビッグ・ウィル(Big Will)の歌声は、どうしてもジェラルド・リヴァート(Gerald Levert)を思い出してしまう。
-マーケット向きではないが…-
すべての曲に共通するのは声の存在感。ファルセットと地声の浮遊感を楽しむ。いわゆる“歌バカ”なんだろう。きっと2010年現在でもインディ・リリースになるに違いないであろうこの作品を、私は自信を持って支持したい。
(2010.03.18)