-再編成-
スティーヴ(Steve Russell)とアル(Allen McNeil)以外が脱退。3rd『Deepa』で3曲ほど提供していたデメトリアス・シップ(Demetrius “Mech” Shipp)を正式メンバーに迎え、3人組となった4th。メンバー減、インディ落ち、しかもほぼ全ての曲を新メンバーのMECHが手がけていて、トゥループ(Troop)らしさが無くなるのでは…。全体的にシンセを多用していることから、確かに音がペラい。そんな理由からだろうか、世間的評価が低い作品である。しかし、個人的には思いを寄せている。
-これは名曲-
そう言わしめてくれたのはなんと言っても④「Blowin' My Mind 」。アルバムは全体で楽しむものであり、コンセプトとかが大好きな筆者としては珍しく、この1曲だけのためにアルバムを手にしても損はしないと言ってしまいそうな気がする。若干淋しげなミディアム・スロウには微妙なナヨ声がよく似合う…。ブリッジ部分に溶け込んでくるピアノの旋律…。メロディの秀逸さはもちろん、怪しげな浮遊感…まるでクール&ザ・ギャング(Kool & The Gang)の「Summer Madness」のようだ。地味ではあるのだが、これが味がある。
-得意のスロウも安心して聴ける-
④と同様な雰囲気は①「Let's Get Warm」~③「Poohnany」の秀逸な楽曲たち。①は冒頭の語り口とチャカポコギター(シンセ?)音。この組み合わせだけで気持ちよくなれる。多少盛り上がり部分にかけるが聴かせてくれる曲である。続く②「Break A Dawn」③も妖艶な雰囲気のスロウ。④へ向かうため、気持ちを高揚させてくれているようだ。⑤「Get It On」⑥「Get Loose」という少し淋しげなスロウの後にミディアムの⑦「Around 」。これには人数が減った影響がでてるのだろうか。もう少し分厚く声を重ねて欲しい気もする…。
-アップはまとめて-
後半にアップをまとめて収録。⑨「Miss U」は冒頭の音から懐かしい香りが…。まぁニュージャックしてきたグループ。ご愛嬌ということで…。⑪「Do Me 」も多少懐かしい感じは否めないが、慣れるとかっこよく感じる。
-番外編扱い!?-
この後の5th『Mayday』でオリジナルメンバーの5人組に戻ることを考えると、この作品は番外編と言えるかもしれない。Mech featuring TROOPとも言えるかもしれない。しかしながら、通過点であるこの作品をしっかり踏まえて聴くと5thがもっと味わい深くなるはずだ。
(2010.06.13)