-強烈な1曲-
R.ケリー(R.Kelly)は数多くの名曲を産んでいる。特に真骨頂といえるのはスロウ・ジャム。その中でも抜群の出来なのが、このアルバムに収録されている②「Spend The Night」である。これは、90年代を代表することが出来るスロウだと思っている。出だし部分の語り、ニュージャック後期の音…。各パーツが筆者好みなのであるからそう感じるのかもしれないが、アリーヤ(Aaliyah)の成功の後、ちょうどR氏の勢いが最高潮時の名スロウだと断言してしまいたい。この1曲のためにアルバムを買っても損はしないだろう。
-その他の楽曲はどう!?-
さて、主役はN-フェイス(N-Phase)。それ以外の楽曲をみてみよう。①「Ooo Yeah」がワシントンD.C.で有名になったことで、マヴェリックと契約ができたという。この曲のように、アカペラ・ライクなプロダクションが持ち味のようだ。⑤「Don't Hold Back」のイントロや、⑦「Oh Baby」、⑩「Give Me Your Heart」などでその趣向がみてとれ、なかなかのコーラスワークを楽しませてくれる。
一転して⑨「Mother」は、ハートウォームなスロウ。ピアノ音を散りばめ、ポップ色を出しながらも、ギリギリのところでソウルしているところが面白い。⑪「Kiss and Say Goodbye」、⑫「Jesus is Love」はそれぞれ、マンハッタンズ(The Manhattans)、コモドアーズ(The Commodores)のカヴァ。彼らの出自を語っているようである。
冒頭で②のためだけでも…と書いてしまったが、このようにその他の楽曲も楽しめる。
(2008.10.12)