-プロデューサー陣-
サイラス・レコーズを離れ、D3レコーズに移籍。その第1弾がこの4thアルバムだ。ジェシといえば、自身のスタイルを持ちながらも、革新的な音に挑戦していくことが恒例。今回も出だし3曲を、シスコ(Sisqo)『Unleash The Dragon』などで顔をみせていた、コ・スターズ(The Co-Stars)を起用。①「Touching It Tonight」②「Talking In Your Secret」という、斬新な音を提供している(個人的にはチョットきついかなぁ~というのが本音)。③「Keep On Lovin'」も手がけているのだが、こちらはアコースティック・ギターの温かみあふれまくりの音色が優しいスロウに仕上げている。対照的な曲を提供するところが実力というものなのだろう。
フィリーっぽい④「Lady」を手がけるのは、クリス“アーソニスト”ジェンキンス(Chris Jenkins)。わざとヴォーカルを遅れ気味にし、グルーヴのうねりを産み出している。ミュージック・ソウルチャイルド(Musiq Soulchild)なんかがこの曲歌ってそう。この辺のネオ・ソウル・テイストは、今後も続けて見せてほしいものだ。
-みんな大好きな、あの曲-
そして、今作の最大のトピックであろう 、恒例のカヴァー。今までもエンチャントメント(Enchantment)やワンウェイ(One Way)といった、いわゆるツウ好みも選曲で喜ばせてくれていたが、今回は万人向けとでも言おうか。みんな大好き、デバージ(DeBarge)の⑦「I Like It」、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の⑫「I Can't Help It」の2曲を届けてくれた。これだけメジャーな曲をカヴァーするには、それなりの実力がないと失敗してしまうのだが、そこはジェシ。さすがの貫禄で歌い上げている。彼にしてみれば、そんな大げさに考えることもなく、「ただ好きな曲がこの2曲だった」ということなのだろう。とにかくシックリとハマる。特に⑦は、ついジョマンダ(Jomanda)のカヴァと比べてしまうのだが、華やかさでは劣るものの、歌唱力は数段上。ファルセットがたまらない。
-仲間は大切-
今回も大幅にプロデューサー陣を入れ替えているものの、ジェシらしさはやはり健在。これも共に活動している、カール・ローランド(Carl Roland)の力もあるのだろう。今作でも⑤「By The Way」を提供しており、前作でのシェップ・クロフォード(Shep Crawford)的役割を担っている。やっぱり何事も仲間は大切なのである。
(2006.02.06)