-父親と息子-
完全に子どもの笑顔。父親の後ろからニコニコ。やっぱり父あってのジェラルドだなぁと。ジャケットからなんだか温かい雰囲気が伝わってくる。こういった場合、安易にスタンダードのカヴァだったりすることが多いのだが、そこはリヴァート親子。全てオリジナルで勝負している。
-ベタだけではありません-
初めて手にした時は、「スロウばかりのベタ甘盤なんだろうなぁ」と勝手に思っていたが、そんなことはなかった。しかも、そのミディアム系の曲の出来が素晴らしい。⑤「I Got You」 では、ヒップホップなイントロを表現することでストリート感を押し出し、シェリーナ(Sherena Wynn:この後、ジェラルドのコーラスに欠かせない存在になる。現在も活動中)という女性ヴォーカルを絡ませアダルトな雰囲気に持っていく。その高い声と2人のボトムの聴いたヴォーカルの相性がぴったりとハマル。ギターの音色がカッコイイのは、⑦「You Need Love」と⑨「You're Hurting Me」(途中の語りの部分がシビレます!)。この2曲はエディ父さんの作曲なのだが、こんな現代とリンクした(とくに⑦はヒップホップの影響あり)ものが作れるとは!パパ・リヴァート、恐れ入りました。
-お約束のスロウ群-
もちろんお楽しみのスロウも充実。②「I Got Your Back」 は、ひたすらスウィート。アコースティックな③「Already Missing You」、チョットべたすぎる!?王道バラード④「Wind Beneath My Wings」などなど。とくに最後の3曲⑩「I'm Savin' Your Place」⑪「You Got Your Hooks in Me」⑫「Apple Don't Fall」は、「ふたりのアルバム」という意味でのキキドコロ。掛け合いが楽しめる。やっぱり三連系のバラードと語りって、説得力あるよなぁ~。特に⑫の最後の「father…,son…」の掛け合いが泣ける…。
-第3弾は、ありえないわけだが…-
それにしてもこの企画の第2弾をずっと期待していた。リヴァート(Levert)のとしての復活と同じくらいに。ようやく届けてくれたのが2008年。ジェラルドが亡くなる前に録音していた遺作であった。第3弾が叶わなくなった現在、このアルバムの持つ意義は、さらに深まった。
(2006.12.02/2011.03.29)