-期待のしすぎは禁物なのか-
国内版の帯にはこのように記してある。
「簡単に言うと、まるでエリック・べネイ(Eric Benét)meetsディアンジェロ(D'angelo)という感じだ」。
1996年当時、ニュークラシック・ソウル~オルタネイティヴ・ソウルへという流れのなかで、シーンをリードしてきた2人を足したもの…?なんて大げさなうたい文句なんだろうか…。期待をしすぎで、こけるパターンなのか??
-秀逸なカヴァー-
その心配は、①「Interolude」が聴こえてくると同時に吹き飛んだ。むしろ、前出の二人が、ミュージック・ソウルチャイルド(Musiq Soulchild)『Soulstar』のフィルターを通したといったカンジがした。1枚を通して安心して聴いていけそうだ。
③「She Won't Talk To Me」では、古いジャズ感とスペイシーなHIPHOPを融合し、独特の世界観を展開。⑤「Broadway」は、ドリフターズ(The Drifters)及びジョージ・ベンソン(Geogie Benson)の、⑩「Do What You Do」はジャーメイン・ジャクソン(Jermaine Jackson)のカヴァーであるが、しっかりと吸収し、オリジナルのような仕上げとなっている。
-名士の名前が!-
参加ミュージシャンは、エリカ・バドゥ(Erykah Badu)、エンダンビ(N'dambi)のほか、⑧「Man With Nothing To Lose」には、ニュー・ジャック・スウィング時代の名プロデューサー、キッパー・ジョーンズ(Kipper Jones)の名前を発見!このような、DOOPな曲を書くとは、さすが才能の塊だなぁと、あらためて認識させられた。
-騒がれはしなかったが…-
2004年のベストアルバムとして、きっといろいろな誌面を賑やかす…そんな予想も立ててしまうほどの面白い仕上がりだった。結局そんなことはなかったわけが、今後も期待できる、コピー通りのアーティストだ。
(2005.10.04/2014.11.29)