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『Asante Mode』(1995)1995
the real thing

Review

-ジャケットに期待させられる-

なんて歌えそうなジャケットなんだろう。まずハズレなしだろうと思わせてくれるフォト・ワーク。その期待にしっかり応えてくれるのだろうか。

-印象-

アサンテ(Asante)は“ヤング・アイズレーズ”とか、“ジョデシィ(Jodeci)ボーイズⅡメン(BoyzⅡMen)の影響を受けていない珍しいグループ”などと評されている。個人的な印象は、「ロナルド・アイズレー(Ronald Isley)の似た声色を持つグループが、フォスター&マッケルロイ(Foster & McElroy)によってトニーズ(Tony Toni Toné)っぽくやってみた。」といったところか。全11曲中6曲をフォスター&マッケルロイがプロデュースしてるから、当たり前ではあるのだが・・・。

しかし、ココで面白いのは、彼らによる⑫「Catchin' Feelins」⑭「Don't Think I Can Make It」での初期トニーズ感と、彼らが手がけていない⑩「Dopest Ethiopian」から、中期トニーズ感(つまりトニーズの3rd『Sons Of Soul』以降)が味わえる、というところ。あのファンクが進化して生音っぽくやるとこうなるのではと思う。

-「黒いシルクの夜」-

そんななかのオススメはやっぱり②「Look What You've Done」。邦題は「黒いシルクの夜」って狙いすぎなタイトルが気になるが、ファルセットを聴くと“ウェルウェル~”と聴こえてきそうな気がする。そこを活かしての⑥「Don't Say Goodnight」にいたっては、相性が悪いはずも無く落ち着いて聴かせてくれる。カヴァされ尽くしている「For The Love Of You」などではなく、この曲をチョイスするセンスがたまらない。ミーシャ・パリス(Mica Paris)のヴァージョンもスキだけど、こちらも素晴らしい。

哀愁漂う③「All About You」、巨匠カーティス(Curtis Mayfield)のカヴァ⑦「People Get Ready」などで魅せるドゥワップ的なコーラスを聴くと、グループとしての意義を感じる。こちらも久しぶりにカムバックして欲しいグループだ。

(2008.06.21)

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