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-2017-

◆似て非なる時代のうつろい

大手データ調査会社ニールセン(Nielsen)によると、2017年は、「ロックよりR&B・ヒップホップのほうが売れた初めての年」になったそうだ。ブルース、ゴスペルから派生したこのジャンルの隆盛に、アフリカン・アメリカンの方々は何を思うのだろうか。いずれにしても、多くの聴衆を惹きつける、魅力的な音楽であり、それが広く認知されたということだろう。
 そんな背景もあり、グラミーの主役はブルーノ・マーズ(Bruno Mars)。『24K Magic』は、日本でも多く流通した。アフリカン・アメリカンではない彼が最優秀レコードを受賞するということが、上記背景の象徴ではないだろうか。

R&Bシーンは前年からのながれもあり、変わらずEDM、アンビエントというような(筆者が少し苦手とする)うたい文句が目立つ。例えばブライソン・ティラー(Bryson Tiller)のようにヒップホップに寄ったとしても、自身の音楽を“トラップ・ソウル”と呼ぶくらいに、コンピュータとの親和性は市民権を得ているようだ。

この空気感とでもいうのだろうか。わざと作られているのだろうか。80年代中盤を意識させられる。ホイットニー(Whitney Houston)アニタ・ベイカー(Anita Baker)らが中心になったポップスへの接近とコンピュータとの融合。ともすれば、後に“ソウル不遇の時代”などと揶揄されたあの時代。ただ異なるのは、あの時代はアフリカン・アメリカンから白人に近づいたわけだが、現在はその逆の状態ということだろう。

そのような中、個人的な好みとして喜ばしいのは、セヴン・ストリーター(Sevyn Streeter)が歌心を持って(ようやく)現れたこと。80年代後半~90年代のことを思うと、もう少し先に、きっと彼女がもっと活躍するステージが待っていると期待している。
 また、シザ(SZA)シド(Sid)ケラーニ(Kehlani)などはアインビエント感もありつつ、オルタナティブという、80年代中期と90年代中期の融合という、それを消化したものでしか表現できないようなものを持っていて、頼もしく感じている。
 一方の男性陣としては、若者カリード(Khalid)の「Location」が700万枚のセールスを記録。個人的にはあのやる気のなさそうな歌い方が気になるのだが…。

最後に触れておきたいのは、レジェンドであるリオン・ウェア(Leon Ware)の死去。日本においてはマーヴィン(Marvin Gaye)は知っていてもリオンは知らないという方が大半を占めるのだろうが、彼なしでマーヴィンは語れないわけで…。表に出すぎないリオンの活動が好きだった。心よりご冥福をお祈りいたします。

(2019.12.31)

-2017年の主な出来事- 
  1. 01月:トランプ氏が大統領に就任
  2. 02月:プレミアム・フライデーが始まる
  3. 02月:森友学園問題発覚
  4. 03月:韓国朴前大統領逮捕
  5. 03月:ニンテンドースイッチ発売
  6. 04月:レゴランド・ジャパン開園
  7. 06月:将棋藤井四段、前人未到の29連勝
  8. 07月:九州北部豪雨
  9. 09月:希望の党立ち上げ。民進党は解党
  10. 10月:9月の日産自動車に続き、スバルでも
       検査工程における不正発覚
  11. 11月:暴力事件で横綱日馬富士引退
音楽
星野源「恋」 RADWIMPS「前前前世」
映画
『美女と野獣』
   『スターウォーズ/最後のジェダイ』
ドラマ
『カルテット』
流行語
「(インスタ)映え」
「忖度」
訃報
松方弘樹(1/21)  アル・ジャロウ(2/12)
   リオン・ウェア(2/23)かまやつひろし(3/1) 
トミー・リピューマ(3/13)  ペギー葉山(4/12)
   野際陽子(6/13) プロディジー(6/20)
小林麻央(6/22) 平尾昌晃(7/21)
   リル・ピープ(11/15)  野村沙知代(12/8)

-2017年にリリースされた作品-

『Girl Disrupted』

/ Sevyn Streeter

『Fin』

/ Syd

『Ctrl』

/ SZA

『H.R.E.』

/ H.R.E.

『3:33 AM』

/ AMBER MARK

 

 

 

 

 

 

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