1. 『Sons Of Soul』
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『Sons Of Soul』(1993)1993
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Review

-名盤-

数々の書籍で、歴史的な名盤として紹介されること多数。「ニュー・クラシック・ソウルはこのアルバムから始まった」という意見もあり、とにかく重要な作品であることは間違いない(個人的にはニュー・クラシック・ソウル誕生は95年説に賛同)。“ソウルの申し子たち”というタイトルも、計算されたかのようにピタッと当てはまる。現代にも語られるべきにふさわしい名盤である。

-原点回帰-

2ndからの成長が著しいのは、生音への回帰ということに違いない。聴き比べるとその違いが手に取るように、ハッキリとわかる。それを一番象徴しているのは、⑦「(Lay Your Head On My) Pillow」だろう。ライヴ録音の1曲なのだが、出だしのギター。この使い方に、すでにニュー・クラシックの足音を感じる。そしてこの曲のリラックス・ムードに酔いしれる…。“and jusi relax,relax,relax...”と囁かれると、ひたすら落ち着く1曲であり、優しい気持ちに誘ってくれる。ぜひ結婚式で使いたいと思っているほど惚れた[1]、そんな大切な曲である。

-誉め言葉での青臭さ-

そしてもう1曲、大切なもの楽曲が収録されている。R&Bチャートでも2位を記録した、哀愁漂う切ない⑭「Anniversary」である。大ヒットしたので、隠れた名曲というわけではないのだが、この長尺のミディアムは彼らの真骨頂と言えるのではないだろうか。終盤のブリッジの部分、“Do you know what today is…” で魅せる、ラファエルのナヨ声の叫び…。ここでは力強い男声よりも、ラファエルの青臭い声がシックリはまる。ナヨ声がハマルという意味では、スロウの⑥「Slow Wine」でも同様である。

-“音”を“楽”しむ-

他に、アップの③「My Ex-Girlfriend」~④「Tell Me Mama」のファンキーポップは1stからの流れを伺えて楽しめる。また、収録する予定のなかったというジャム風の⑨「Gangsta Groove」⑩「Tonyies! In The Wrong Key」などを聴くと、自分達が楽しんでいる様子が伝わる。やっぱり自分たちが楽しんで音楽はやることが大切であることを認識させたれた。ヒップホップ、ストリートを意識させれくれるのは、ヒップホップ・ソウルを多少なりとも意識したのだろうか?続くラガ風の⑪「Dance Hall」まで含めて挑戦していく姿勢を見せてくれた(ただ…曲は個人的にはあんまり・・・)。

(2007.08.08)

[1]結局筆者は結婚式をしなかった…。結婚はしたんですけど…。 あ、どうでもいい脚注でした…。

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