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『Love Session』(2001)2001
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Review

-集大成とも言える-

エレクトラ(Elektra)からの最後の作品となってしまった4th。加えて、メンバーのリルGことゲイリー・ジェンキンズ(Gary “Lil G” Jenkins)を含んだ5人組としてのラストアルバムとなってしまった。そのリルGと、前作から蜜月関係が続いているダレル“ディライト”アランビー(Darrell “Delite” Allamby)を中心に作り上げていったようだ。よって前作でさらに深まった感のある濃厚な世界は健在。アダルト・オンリーといった雰囲気である。

-そのアダルト感-

イントロに続いての②「We're Callin' You」から、女性の声+電話という欠かせないアイテムが登場。いきなりのボトムの下げ具合に思わずテンションがあがる。そして③「Love Session」も同様なダウン・ロウ感覚。ここにはギターで、マクファデン & ホワイトヘッド(McFadden & Whitehead)のホワイトヘッドの子どもであるケニー(Kenny Whitehead)も参加しているようだ。

-テイマー・ブラクストン-

男ばかり5人の所帯に、今回ゲストで参加したのは、トニ・ブラクストン(Toni Braxton)の妹、テイマー(Tamar Braxton)だ。どうやら彼女のソロアルバムにディライト(2000wattsとして)が参加していたのが縁のようだ。彼女は⑤「Nursery Rhymes」⑩「Don't Go」で参加しているのだが、この2曲がこのアルバムではハイライト的なものに仕上がっている。では、アイズレー(The Isley Brothers)色濃厚な世界(とくにギターのリフはまるでアーニー(Ernie Isley)が弾いているかのよう)に、さわやかなエロスとでも言おうか、そんな効果をもたらしてくれる。のようなゴスペルライクな曲にもしっかりと対応して、リルGとの名演ぶりを見せ付けてくれる。とくに最後の2人の掛け合いに、シルクの低音のコーラスがはまり込んでくるところなどは、ゲストの意義を感じる場面だ。

-POPなカヴァー-

また今回はカヴァーも収録。それが⑥「Ebony Eyes」リック・ジェームス(Rick James) & スモーキー・ロビンソン(William “Smokey” Robinson.Jr)という異色ともいえる組み合わせの曲を選んでいる。これがポップでありながら、アルバム全体のバランスを壊さずに配置されている。ホッとできる1曲だ。

-グループ不遇の時代だが…-

売り上げでは、確かに成功したとは言いがたい作品だったかもしれない。しかし、時流を敢えて取り入れずに、しっかりとした歌だけを吹き込んでくれたシルク。(それゆえにこの次の作品がインディからになってしまったのかもしれないが…)いつまでも解散せずにいてくれることを願う。

(2006.04.18)

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