1. 『Mission To Please』
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『Mission To Please』(1996)1996
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Review

-温かい雰囲気-

ロナルド(Ronald Isley)の私生活なども含め、非常に暖かい作品だ。優しさに包まれる…。アンジェラ・ウィンブッシュ(Angela Winbush)のバックアップを受け、アーニー(Ernie Isley)マーヴィン(Marvin Isley)がグループに復活した意欲作『Tracks Of Life』('92)、R.ケリー(R.Kelly)をプロデューサーに迎え、新しい世紀のブラック・ミュージックに対して、彼らの回答を伝えた『Eternal』('01)。この2作品に挟まれる形でリリース('96)された作品である。

-お互いを尊敬する-

そのような移り変わりをよく表すように、アンジェラとケリー、両氏のプロデュースの光る。 ⑤「Make Your Body Sing」ではその2人の共同プロデュース。ロナルドが歌っているときに、2人が詩を書いて仕上がったといわれている。非常になどやかな3人の姿が目に浮かぶ…。お互いが、尊敬しあいながら、譲り合いながら、良い色を出している。この3者の共同作業がおそらくもうないかと思うと淋しいものである。

-名曲が誕生-

また、上記2人のほかに、ベイビーフェイス(Babyface)キース・スウェット(Keith Sweat)両人が、それぞれ1曲ずつ提供。ロナルド自身も、「彼らとは、本当に良い仕事ができた」と語っている。その言葉通り、喜びの涙を歌った、フェイス作④「Tears」、愛に溺れる、キース作⑩「Slow Is The Way」。2曲とも、長きにわたるアイズレーズ史に、必ず刻まれるであろう名曲となった。ソウル・ファンにはの人気が高いようだが、個人的にはが白眉の出来だと思っている。ちなみに、フェイスつながりで、①「Floatin' On Your Love」⑧「Make Your Body Sing」 で、マンチャイルド(Manchild)のリーダーであった、レジー・グリフィン(Reggie Griffin)も参加している。 その他、恒例のカヴァーは、シンプリー・レッド(Simply Red)の出世作⑦「Holding Back The Years」。白人のグループの曲を、ロナルドが完全に征服している。シンプリー・レッドがソウルよりのバンドとはいえ、ここまでソウルしてしまうとは、さすが、Mr.Biggsである。

-無人島へ-

よく、「無人島に持っていく10枚」なんてチョイスしたりするけど、この作品は必ず選ぶ。心から名作であると断言したい。

(2005.04.18)

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