1. 『Mirror Mirror』
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『Mirror Mirror』(2000)2000
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Review

-豪華なゲスト陣-

セカンド・アルバムである。それにしては、ゲストが豪華すぎる。さすがデフ・ソウルの歌姫といったところ。このくらいの待遇は当たり前なのだろうか。そのプロデューサー及びゲスト陣の紹介とともに、中身を見ていこう。

◆ウォーリン・キャンベル(Warryn Campbell)
②「Good Love」⑦「3 Strikes」⑨「Can't Run Away」
担当。ドゥルーヒル(Dru Hill)の2ndを手がけたことでも有名。ここでは、全体の雰囲気からあえて別スタンスの曲を提供。雰囲気を壊さない程度に、新しい風を吹き込んでいる。

◆PAJAMプロダクション(Pajam Production)
 ③「You Should've Told Me」担当。ポール・D・アレン(Paul D.Allen)J・モス(J.Moss)からなるチーム。ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)まで手がけているコンテンポラリー・ゴスペル界のプロデューサーだ。ひとつひとつを丁寧に語っていく。PAJAMらしいゴスペル・ライクな部分を覗かせるソウル・バラードの出来は、アルバム中随一!

R.ケリー(R.Kelly)
④「At Least (The Little Things)」の作曲と⑤「National Anthem (Interlude)」ではゲスト・ボーカル。のイントロなどはまさしくアイズレー(The Isley Brothers)趣味丸出しのギター・リフ。アルバム全体を通して、彼の存在感はさすが、といったところ。

◆シェップ・クロフォード(Shep Crawford)
⑤「National Anthem (Interlude)」⑥「She Wants You」⑪「Married Man」⑭「As We Lay」担当。言わずと知れたモンテル・ジョーダン(Montell Jordan)の片腕。ピアノの使い方が絶妙。彼とピアノが絡む曲に捨て曲なし、と決めつけたい。特に、シャーリー・マードック(Shirley Murdock)のカヴァ(作曲はロジャー(Roger Troutman)!!)を、よりドラマティック(彼にはこの表現がピッタリくる)に仕上げている。

◆ピーター・モクラン(Peter Mokran)
⑩「The Lullaby (feat.Jeffery Jr. & Jonia)」。R.ケリーの腹心。子どもたちの声を使用しているのだが、それならばもっとハートフルな曲にして欲しかった。もうひと工夫あれば…。

◆K-CI&ジェラルド・リヴァート(K-Ci&Gerald Levert)
⑬「All I Want Is You」。二大バリトン・ヴォイスをゲストに迎えた。K-CIおとくいの、“イェ~エイエェ~”も飛び出すのだが、2人に沈むことなく、ケリーの声が冴え渡る。

-そしてオールスターズ-

そして、アルバムに先駆けて発表されていた⑯「Love Sets You Free」は、ドゥルー・ヒルプレイヤ(Playa)モンテル・ジョーダンケイス(Case)、そしてキャンディス・ラヴ&ラヴハー(Kandice Love & Lovher)といったデフ・ソウル・オールスターズとも呼べる面々によるコーラスの洪水…。ちなみに、シングル盤はブラック・ストリート(Blackstreet)などの豪華メンバーが歌い上げている。プロモにはテディ・ライリー(Teddy Riley)も出演しているらしい。

-主役はケリー-

そうそうたる顔ぶれ。それにまったく媚びることなく、堂々と歌い上げている。ロナルド・アイズレー(Ronald Isley)に、「100年に一度出るか出ないかの才能」と言わしめた実力が、しっかりと発揮されている。ここが大切なところである。それを証明するのは、着実にアルバムをリリースできるということではないだろうか。

(2006.01.09)

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