1. 『Chicago‘85... the movie』
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『Chicago‘85... the movie』(2000)2000
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Review

-方程式は成り立ちますか?-

デイヴというと、まず思い浮かべるのは「One Woman Man」。この方程式が成り立つのは、多数意見ではないだろうか。もちろん筆者もそう考えているし、さらに言うと、デイヴの中では一番好きな曲であることは間違いない。あのロマンティックなメロディに、デイヴの太い声が乗っかるところに、本当のソウルを感じるのである。その楽曲が含まれているのがこの2ndである。

-マイク・シティの奇跡-

この④「One Woman Man」は、個人的に”マイク・シティ(Mike City)、2000年の奇跡”の2曲のうちの1曲(もう1曲は、カール・トーマス(Carl Thomas)の「I Wish」!)であるから、どうしても目立ってしまうのだが、それだけでこのアルバムを終わらせてしまうには、本当に惜しい。他の楽曲も是非聴いてもらいたい。

-曲順も重要-

雨音のSEとともに⑭「I'm Not Complete」のメロディーをささやく①「Interlude (I'm Not Complete)」で幕をあけると、すぐにデイヴの良く使うキーワード、”Keep On”を散りばめられたボトムの太いファンク②「Keep On Lovin'」が炸裂。後ろでの唸り具合にこの先の展開を期待してしまう。③「Take Care Of Home」は一転してウィスパー系のミディアム。歌い方を使い分けているところに、表現の巧さを感じる。このメロディ展開は、ティム&ボブ(Tim Kelley&Bob Robinson)によるものなのだが、マイク・シティが手がけたをさらに引き立てているように思う。この楽曲配置は絶対に替えて欲しくない並びである。

-相性-

の後のスロウ⑤「We've Come Too Far」は、デイヴの語りから始まる。少ない音数に溶ける声色には、ソウルを感じずにはいられない。同じように、黒さを感じられるのは⑨「Destiny」だろう。この2曲を手がけたのは、ともに前出のティム&ボブ。相性の良さというものだろう。

また、相性という意味で、更に上を行くと思われるのがタンク(Tank)である。ギターの使い方が巧いと感じる⑪「On The Side」と、野太いコーラスが印象的な。マッチョな彼らしい、無骨な雰囲気の漂う男臭さ満点に仕上がっている。この2曲は、女性よりも男性が好きになる楽曲ではないだろうか。

-期待と本音-

2011年の現在聴きなおすと、確かに現在のマーケットでは、セールス的に厳しいと思う(=筆者は大好きということ)。これだけの力を、ゴスペル作品だけで活かすのはもったいない。是非世俗音楽へ戻ってきてもらいたい。テディと組んでツアーをしているようだが、その活動と併せて期待は高まっているのだが…、ホントにやるの!?という気持ちも同居している。果たして!?

(2011.11.03)

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