1. 『The Best Group Never Heard』
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『The Best Group Never Heard』(1999)1999
code_3

Review

-誰でも知っている楽曲をカヴァできるという自信-

兄弟、親子などでグループを結成していることは良くある話。このコード3(Code3)も親戚関係にあるというだけでハードルが高くなった。しかし、そのハードルを軽くクリアして行ったのは、③「Turn Off The Lights」テディペン(Teddy Pendergrass)の大ヒット曲のカヴァーだから、さらにハードルが上がるわけだが、昔から歌いなれている雰囲気がしっかりと伝わってくる丁寧な歌いまわしに、好感度が一気に上がった。こういった誰もが知る曲をしっかりとカヴァーしていけるのは、実力があるグループしか成し得ないものだろう。

-ヒューストン産-

オリジナルはどうだろうか。プロデュースの中心になったのはテキサスの名プロデューサーといわれているヒエイム(Jhiame)。プロデュース実績として、ディープ・スリート(Deep Threat)J-リアル(J-Reale)などの名前があがることから、どうやらヒップホップ系メロウが得意な人の様子。そのせいか、全体的にヒップホップ的な要素が多分に感じられる。その分筆者としては、割り引いてしまうのだが…。

-スロウが似合う-

メンバーのアンドレもプロデュースに参画。キースの姪であり、アンドレとグレッグの従姉妹が亡くなったことへの追悼曲である①「Fly Away」では、ピアノの音色と彼らの声だけで表現した悲しみが表現されている。後半のファルセットの雨がホントに切ない。

そんなヒエイムとアンドレの2人の融合が生み出したメロウネス⑨「Getem Down」。アルバム中、白眉の出来となっている。どことなくニュージャック的な音、コーラスワークの重ね方、リードが少しだけ荒げて歌うところ。なんだか全てが守備位置をしっかり守ってくれているような安心感がたまらない。

その他、⑤「Baby Boo」でのネットリ感、⑪「Baby Mama」でのゴスペルライクな歌いまわしなど、“歌バカ”的なところが楽しめる仕上がりになっている。

(2010.05.22)

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