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『From The Bottom Up』(1994)1994
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Review

-実力派の女性グループ-

教会のコーラスワーク。ジョデシ-(Jodeci)なんかに感じることが出来るクワイア的な歌声。それがしっかりとできているのが、このブラウンストーン(Brownstone)だ。そのデビューアルバム。

彼女達がデビューした94年というのは、女性コーラス・グループが隆盛を極めていた。TLCSWVチェンジング・フェイセス(Changing Faces)などなど。ひしめくライバル達であったが、彼女達の実力はホンモノだった。ウタジカラを感じられたのだ。とにかく、このアルバムは分厚い。

-コーラス・ワークを巧みに用いる-

いかにも当時らしい打ち込み音でありながら、彼女達のコーラス、そして中盤のピアノとの絡み方が美しい①「Party With Me」。これを手がけたのはジョルジ・コランテ(Jorge Corante)SWVジョニー・ギル(Johnny Gill)といった“歌える”ところを手がけているが、ここでもその力量を発揮してくれた。彼は⑧「Fruit Of Life」も提供している。

静かにコーラスを溜めて、一気に歌いだす②「Grapevine」デイヴ・ホール(David "Dave" Hall)メアリー・J(Mary J.Blige)などを手がける人物だ。これまたコーラスの雨を堪能できる。

-若き日のゴードン・チェンバース-

そしてヒットしたのが③「If You Love Me」ゴードン・チェンバース(Gordon Chambers)らしい、優しくも切ないミディアムである。編集者だけにしとくのは本当にもったいない人だ。日本で言うと松尾“KC”潔さん的ポジションなのだろう。この、やや悲しげなミディアムが、彼女達の真骨頂ではないだろうか?ゴードンは⑪「Deeper Feelings (Ooh La La)」も手がけているのだが、こういったソフトに歌って、盛り上げるところに厚くコーラスをするというところに、彼女達の実力を垣間見れる。

その他、TLC「Diggin' On You」のような、リゾートっぽい④「Sometimes Dancin'」は、ソウルショック&カーリーン(Soul Shock & Karlin)。カヴァーの出来もまずまずな⑤「I Can't Tell You Why」キャラクターズ(The Characters:Troy Talor & Charles Farrar)。打ち込みの古さは否めないが、ヒップホップを取り入れる機軸をみせた⑩「Wipe It Up」は、ローム(Rome)を手がけたジェラルド・ベイラーギュ(Gerald Baillergeau)(個人的には、この人にはスロウをやって欲しかった!)…。と、しっかりとしたメンバーに囲まれている。

-グループとしての存在意義-

歌好きにはたまらない1枚。グループとしての存在意義が、ホントにはっきりと表現された、そんな作品だ。

(2006.02.12)

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