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『What Comes Natural』(1995)1995
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Review

-ホントに95年作!?-

この作品をはじめて聴いてみた時、何年頃の作品だと思われただろうか。もし、そんな質問を受けたら、筆者は自信を持って「93年!」と回答したことだろう。それくらいニュー・ジャックの末期の雰囲気を感じることが出来る1枚だ。

もう最初から全開。①「You」の出だしのリズムからしてガイ(Guy)ではないかと言いたくなる。④「Kno Dat U Kno」も同様にスネアを効かせつつもヒップホップ・ソウル的なアプローチも取り入れている。5年前(1990年頃)のリリースなら、この2曲はシングル・カットされていただろうと推察する。

-これは名曲-

上記2曲も良いのだが、それを軽く超越するのがシングル②「Can U Show Me」。切ないイントロ、歌いすぎないリード、ナスティな雰囲気など、前年に発売されているN-フェイス(N-Phase)の「Spend The Night」を彷彿とされる1曲だ。但し、R.ケリー(R.Kelly)が手がけたそれよりはエロさ加減は低く、どちらかといえばのほうが古典と言えそうだ。R&Bチャートでは89位を記録している。この曲はもっと評価されて、定番化されてもおかしくはないのではないだろうか。

-期待のしすぎはいけません-

ここまでの楽曲を聴いて、「スロウもきっと期待できるだろう。なんといっても男性カルテットだし。」と感じていた。そうやって勝手に自分の中でハードルを上げたのが悪いのだが…。③「Since I Met U」⑦「This Time」は、まさしくボーイズⅡメン(BoyzⅡMen)症候群。きれいなメロディなのだが、正直物足りない。グループのボーカルの力量もあまり感じられない気がしている。⑤「Later」は怪しい雰囲気がキース・スウェット(Keith Sweat)風でよいのだが、グループとしてコーラスワークを活かしきれていない気が…。もう少しバリトンの語りを絡ませても良いのでは…。と色々と考えさせられてしまった。もう一度書いてしまうが、ハードルを上げていた自分が悪いのだが…。楽曲は良いのだが…。ちなみにこれらを手がけているのはオマン・キジャーノ(Oman Quijano)という人物(詳細不明)である。

-良い時代-

地元シアトルにこだわり、旬のプロデューサーも起用せず。そんなチャレンジができていたのがこの時代なんだなと改めて思った。繰り返すが…この作品。5年早く出来ていたら…。

(2012.05.19)

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